マンション管理士の独り言・・・783

「折尾クロステージVS小倉DCタワー」

ろくすっぽ考えもせずに、折尾クロステージを購入する方が多いようなので、問題提起しちゃいます。
これは決して折尾クロステージを買うべきではないとか、物件をこき下ろすものではありません。
ただ、購入するにあたって大事なものを見落としていますよ、っていうのを分かりやすいように小倉DCタワーと比較してつぶやいているだけです。誤解なきよう。

何故小倉DCタワーとの比較かというと、どちらも区画整理事業で、店舗併用の複合型マンションだからです。
小倉DCタワーは、住宅195戸、店舗8という構成になっています。
管理組合は、住宅管理組合+店舗管理組合+全体管理組合と合計3つ併存します。
管理組合の執行機関である役員構成は、住宅管理組合より3名、店舗管理組合より3名です。
さらに、建物全体面積のうち店舗部分面積は4,1%に過ぎませんが、土地の共有持ち分割合は11%を占めています。
議決権割合も、店舗部分は面積部分よりも大きく6,5%を占めています。
つまり、店舗部分は全体面積のうち4,1%を占めるに過ぎないのに、敷地の共有持ち分は11%。議決権割合は、6,5%。理事の人数も195戸の住宅部分と同じく3名ということです。
数字で見れば明らかなように、住宅部分に比べて店舗部分の優位性が認められます。

通常のマンションでは、所有する住戸(専有部分)の面積に比例したものが敷地や共用部分の共有持ち分となります。議決権も区分所有法では所有する住戸の面積比とされています。ただしあまり面積差がない場合には、1住戸1議決権としているところが多いようです。

では何故小倉DCタワーでは、店舗部分は占める面積よりも共有持ち分や議決権割合で大きな権利を持っているかというと、区画整理事業だからです。
従前の土地所有者だった人に対して、拠出した土地の価値に見合った分だけ換地として提供するからなのです。
折尾クロステージも旧土地所有者が、マンション部分についても大きな権利を持っているものと思われます。
もし、旧土地所有者が当マンションの半数くらいの議決権を持っていれば、管理組合の方向性とか活動についてはその人の思いのままです。
その人が賛成すれば議案は承認されるし、その人が反対すれば議案は承認されないという事態に陥ります。
そんなことはないと願いたいものですが、購入するに当たっては、必ず確認しておかなければならないことです。
何度もつぶやきましたが、そうであることを知って購入するべきです。
購入した後に、「そんな事とは知らなかった。事前に分かっていれば購入しなかったのに」は大人の買い方じゃないっすよ。

ちなみに小倉DCタワーの管理規約集は270ページあります。
これをつぶやくのに再度読み直しましたが骨が折れました。