マンション管理士の独り言・・・928

マンション管理士の独り言・・・928

「こんな事、出来ました!!!!」

数年前の台風15号の時のお話です。台風15号は大きな台風で、各地に被害をもたらしていました。
その被害を受けたのが中間のマンションです。マンション両サイドに階段室がある一般的な造りです。
開放廊下からの強風が階段室に殺到し、5階・6階の階段室のハメ殺し窓が内側から粉々に破壊されちゃいました。
破壊されたガラスの残骸が、下に停めてあった車両に降り注ぎました。
損害を被った車両は全部で13台です。
当マンション組合員の車両もあれば、お隣のマンションの車両もあります。
13台のうち全損が5台、一部損が8台ということから、被害の大きさをお判りいただけると思います。

ボンネットを貫通し、シートやダッシュボードはグチャグチャです。もし中に人が乗っていたら、と思うとゾ~っとします。
自走出来ない車は、レッカー車に引っ張っていってもらいました。
被害車両所有者との補償交渉や、管理組合から支出しなきゃならない金員について総会で承認を取り付ける作業など、各方面でいろんな手続きが必要です。
理事長さんは、まだ引っ越してきて2年目で、順番で回ってきたので渋々就任したという方です。何をどのようにしていいのか全くわかりません。
管理会社さんも“こんな事出来ません”状態です。

管理会社さんからつぶやき主に連絡がありました。“全てを解決してください”です。

まずは、管理組合からつぶやき主への一任を取り付けなければなりません。
本当は総会を開催すべきですが、一日も早く被害者の方へお詫びと今後の方針などをお知らせしなければならないので、悠長なことは言っておられません。
その日のうちに理事会を開催し、つぶやき主への一任を取り付けました。
その足で、被害者の方13名へまず、お詫びに伺います。
“申し訳ありませんでした”と頭を下げることから入ります。
被害者の方は同じマンションの方もいれば、隣のマンションの方もいますが、今回のケースは天災で当マンションに悪意がないことはお判りいただいていたので、そんなに無理難題を言われる方はいませんでした。
しかし、“車がないと、早速明日からの生活に困るので代車を借りていいか?”というお尋ねです。
どうぞお借りください。被害車両も”知り合いの修理工場に修理に出してください。です。

マンション管理組合が付保している共用部分の損害保険会社とも綿密に打ち合わせを行いながら、被害者の方と交渉を行います。
その一方で、臨時総会も開催しなきゃ、です。
理事会でつぶやき主への一任を取り付けていますが、総会で追認してもらわなければなりません。また、被害の状況や、今後の方針なども報告することが必要です。
隣のマンションの管理会社さんは、こちらのマンションの管理会社とは違いますが、そこはつぶやき主の持つネットワークでお隣マンション管理会社さんからも全面的協力を取り付けました。

被害者との交渉や補償内容の売り合わせ、覚書の締結その他、臨時総会開催のための議案の作成や配布など一気に忙しくなりました。