マンション管理士の独り言・・・75

新築マンション購入時に一括して支払われる修繕積立基金が、分譲会社の倒産により保全されないという事例が発生しました。
一般的には、修繕積立基金は、購入代金の残金や登記費用などと一緒に分譲会社の口座へ振り込まれます。
振り込まれる時期は、物件引き渡しと同時か、引き渡しの2~3日前というのが多いようです。

そして振り込まれた修繕積立基金は管理組合口座へ振り替えられます。
今回は、購入者により分譲会社の口座へ振り込まれた修繕積立基金が、管理組合口座へ振り替えられるまでの間にその分譲会社が倒産してしまったという事例です。
分譲会社が基金などを運転資金に流用した疑いが持たれています。
詳しく見てみると、購入者から分譲会社へ振り込まれた修繕積立基金を管理組合口座へ振り替える時期については、分譲会社により異なります。
物件引き渡し即時というのもありますが、平均すると物件引き渡しから1~2か月後が多いようです。
そもそもなぜ修繕積立基金を分譲会社へ振り込むのかという根本的な問題もあります。
購入代金や登記費用などは分譲会社へ振り込まれて当然のものですが、修繕積立基金は管理組合のものです。
多くの場合、問題なく分譲会社から管理組合口座へ振り替えられるのでしょうが、現状では一旦は、「他人の手」に渡ってしまっていることになります。
分譲会社の中にも、直接管理組合口座へ振り込むようしているところもあるようです。
振り込み時期・振込先・振替の時期などキチンと把握しましょう。