マンション管理士の独り言・・・1087

マンション管理士の独り言・・・1087

「集会室」

一昔前なら高級マンションのシンボルとしてプール付きのマンションや、もうちょっと後ならば岩盤浴施設のあるマンションなんて言うのもありました。
最近分譲のマンションでもスポーツジムやシアタールーム、チャイルドルーム、スタディルーム、訪問者用の宿泊施設なんて言うのもあります。
これらはいわゆる“充実した共用部分”として売主さんがマンションの目玉として大きくアピールしているものです。

これら共用部分の一つ一つについて有用かどうかは論じませんが、多くは必要ない物ばかりです。
必要ないどころかあれば、余計な維持管理費がかかり管理組合の財政を圧迫するものさえあります。
また、特にチャイルドルームなんて何歳までが利用できるのか?子供だけの利用は認められるのか?チャイルドルームのコンセントでゲーム機の充電をしているが?など運用次第では住民間のトラブルに成りかねないものもあります。
つぶやき主からすると、これら“充実した共用部分”なんて売主さんの販売促進に寄与するだけのもので、全く必要ない、それどころか管理運営上“あると困るもの”ばかりです。

これに対してマンションには必ず必要な共用設備があります。“ないと困るもの”です。
以前は「管理組合用ポスト」がないマンションが沢山ありました。これには困りました。
つぶやき主が提言し実現した北九州市のマンション調査の折にも、管理組合にどうやって資料を届けようかと頭をひねったものでした。
最近では1階の集合郵便受けの一角に必ず設置されています。
もしまだ管理組合用ポストを設置していない管理組合さんがあったら、設置するよう強くおススメします。

もう一つは集会室です。集会室がないと理事会や総会を開催するハードルが高くなります。近くの生涯学習センターや老人いこいの家を借りることになりますが、館長次第では町内会活動ではないという理由で有料となる場合もあります。
それより何より予約して部屋を押さえなければならず、管理組合の都合いい日が取れるとは限りません。
1か月前では予約できないってこともあります。中々、日程が立てられません。
また、生涯学習センターはすぐそばにあったとしても、マンション館内ではないので、特にお年寄りの参加が少なくなります。

最近は集会室を造らずにエントランスを広めにとって、そこが集会室となるようなプランニングをしているマンションを見かけますが、これは上手く機能していません。
そのような使われ方をされていないのです。
だだっ広い上に、空調設備はなく、特にこの寒い時期は凍えながら理事会を開催しなければならない、となります。

広いエントランスが集会所を兼ねるという発想を持った設計士や売主さんは管理の現場を知らなすぎます。
どうしてもプランニング上、そうしなければならない時は、空調設備を設置し、場合によればパーティーション設置できる、というような工夫まで考慮してもらいたいものです。

一番はキチンとした集会室があるべきです。住民が簡単に集まれないように敢えて集会室をとっていないのでは、と勘繰っちゃいます。