マンション管理士の独り言・・・1273

マンション管理士の独り言・・・1273

「半導体不足」

旧知のマンション管理士さんと管理会社支店長と会話する機会がありましたが、2人とも異口同音に「ウッドショックが長引いているのに、今度は半導体不足で困っている」と言っていました。

つぶやき主程度の知識では”半導体ってパソコンとかぐらいにしか使われていないのでしょ”でしたが、そうでもありませんでした。

マンションに関して言えば、エアコン・LED照明・監視カメラ・給湯器・太陽光パネル・ウォシュレットなどの他、エレベーターの制御盤には半導体はなくてはならないものです。

大規模マンションで高圧受電としている場合は、キュービクルなどにも使われています。

特に給湯器・ウォシュレットに関しては在庫もなく、供給がひっ迫しているようです。

不足の原因は、コロナ禍の影響で工場の操業停止や入手困難な部品が出てきている、またテレワークの急速な普及と巣ごもり需要の拡大などもあるようです。

新築マンションでも今後引き渡し物件が増えてきますが、引き渡し時期は大丈夫でしょうか?LED照明や給湯器・ウォシュレット・さらにはエレベーターまでが入手確保できない状況なので工事が遅延し、引き渡しが遅れるって物件が出てくるのでは、って心配しています。

仕方ない事情ですが、引き渡しを待っている購入者にすれば困った事態です。

3月引き渡し予定だったので、”引っ越し屋の手配を済ませた”ぐらいならば、まだ救われますが、”もう現在の賃貸の契約を解除した””子供の転校手続きを済ませた”なんてなるとややこしい話になります。

引き渡しが遅れそうならば、デベさんはなるべく早く購入者に告知していただきたいものです。何とか間に合わそうと、ゼネコンさんのお尻を叩きますが、告知が遅れれば遅れるだけ購入者は困ってしまいます。

いつ告知するのかはとても難しい判断になると思いますが、顧客ファーストでお願いしたいものです。

どの売主さんの売買契約書にも、「天候の不順・天災地変・関係官庁の指導など売主の責めに帰すことのできない事由により引き渡しが遅延することに対し、買主は異議を申し出ず、損害賠償などの請求を行わない」と記載されています。

今回の半導体不足もこの条項に適合すると思われます。

しかし東京オリンピックがコロナ禍で1年延期されたことにより選手村マンションへの入居が遅れたことで購入者が売主に対し集団訴訟を提起しているという事例もあります。

本条項ももう少し具体的に記載するように改めた方が良いかもしれません。

お話ししたマンション管理士さんと管理会社支店長は、この半導体不足に続いて、「この上ウクライナで戦争が勃発してしまった。今度はエネルギー不足が深刻化する」なんて物騒なことを言っていました。

オッサン3人では文殊の知恵にも及ばず、もはや我々3人では何ともしようがないな・・・と