マンション管理士の独り言・・・1307

マンション管理士の独り言・・・1307

「給水方式」

マンションの給水方式には主に3種類あります。

①直結増圧給水方式 ②受水槽方式 ③受水槽+高置水槽方式です。

直結増圧給水方式とは、分かりやすく言えば戸建ての給水方式と同じです。

前面道路からマンションの各住戸へ直接給水する方式です。

戸建てのように2階建て(低層階建て)ではありませんので高層階へはポンプで圧を加えて給水します。

最上階でも不自由なく給水できるように増圧していますので、下階では圧が強すぎちゃいます。

そこで3フロアーごとに減圧弁を設置してどの階でも均等な水圧で給水できるようになっています。

また、初めて蛇口があるところまでが水道局の責任範囲ですから、後述する受水槽方式のように管理組合で清掃を行ったり、水質検査を行う必要がありません。何より水がキレイです。唯一の欠点は、タンクがないので災害時に水が溜まっていないということだけです。

続いては受水槽方式です。前面道路から敷地内の受水槽へ一旦水を貯め、そこからポンプで増圧して各戸へ給水する方式です。

受水槽に水を貯めるために蛇口がありますので水道局の責任範囲は受水槽手前までです。受水槽から向こうは管理組合の責任範囲ですから、水道法により年に1回の清掃、と10㎥以上のタンクの場合は水質検査(年に1回)を実施して報告する義務があり、その分経費が掛かります。

タンクの容量は、マンション全体の1日の使用料の2分の1が目安になっています。

残る一つは受水槽+高置水槽方式です。

一旦貯めた受水槽の水をポンプで増圧し建屋屋上の高置水槽へ運びます。

そこから重力で各戸へ給水するという方式です。

高置水槽のサイズは1日使用料の10分の1で設定されています。この給水方式は最近ではあまり見なくなりました。

現在北九州の新築マンションで主流なのが直結増圧給水方式です。

いいことづくめの直結増圧給水への変更に際して、福岡市では補助金が給付されますが残念ながら北九州ではそのように厚遇されていません。

変更に際しては、事前に給水管の耐力調査が必要です。

今が受水槽+高置水槽方式ならば直結増圧給水には変更できないケースが多いようです。

各戸へは高置水槽からの重力で給水されるので給水管に耐力がそれほどありません。

つまり給水管がポンプの加圧に耐えられないとなる場合が多いようです。

高置水槽がない受水槽方式ならば、ポンプで増圧給水するところは同じなので給水管に耐力があり直結増圧給水へ変更しやすくなっています。

その他、ポンプ能力や口径別納付金、ポンプの維持保全などが関係してきますのでご注意を

先週末、北九州市のご依頼で自治連合会会議で講師を務めてきました。

司会役の市職員の方に「講師の井上様は札幌市や久留米市からも講演依頼がくるマンションに関しての専門家です」との紹介がありました。デヘヘ、デヘヘ、とちょっと照れちゃいました。