マンション管理士の独り言・・・1012

マンション管理士の独り言・・・1012

「今更聞けないシリーズ・・・共用部分と専有部分」

分譲マンションでは、その人の区分所有の対象になる専有部分と、購入した住戸の専有部分面積に応じて持ち分がある共用部分とに分かれます。
どのマンションでも共用部分は一緒かというとそうでもなく、特に住戸内に設置している住宅情報盤に関しては、それを専有部分としているマンションと共用部分としているマンションとに分かれます。市内のマンションでは大体半分半分かなって感じです。
住宅情報盤に関し、自分のマンションではどのような扱いになっているのかな、って思う人は規約で確認してください。
もし専有部分と規定されているならば、故障したときの補修費用は個人負担になるのが原則です。

使用方法に関してみると、共用部分はさらに共用使用部分と専用使用部分とに分かれます。
共用使用とは文字通りそのマンションの区分所有者全員で使用する部分です。
例えば、エントランスホールとか集会室や管理人室なんかがこれに該当します。
これに対し、専用使用部分というのは共用部分だけれど、区分所有者全員で使用するのでなく、特定の人だけが使用する部分というものです。
例を挙げれば、玄関ドアやバルコニー(ルーフバルコニー含む)、窓ガラス、専用庭などがそうです。
面格子や網戸はマンションによって共用部分としていたり、専有部分としていたりする場合があります。これも規約で要チェックです。
通常は、専用使用部分は無償で使用できますが、特定の住戸にしか備わっていないルーフバルコニーや専用庭の場合には、使用料が必要になります。
支払った使用料はどこに帰属するかというと区分所有者全員で組織する管理組合となります。

使用方法での分類でなく、法律上の分類では共用部分は、法定共用部分と規約共用部分とに分かれます。
法定共用部分とは、誰がどこからどう見てもそのマンション区分所有者全員の共有に属すると思われるものです。
505号室の前に面する解放廊下は、マンション区分所有者全員のもので505号室の人のものだ、なんて思う人はいません。
従って解放廊下は法定共用部分で、その他階段やエントランス、屋上、外壁、柱などがこれに該当します。
規約共用部分とは、集会室や管理人室、キッズルームやスタディルーム、機械式駐車場など、そのマンションにはあるが、他のマンションにはあるとは限らない部屋や、設備などが該当します。
機械式駐車場は、機械式駐車場に停めている人達の所有物であって、補修の際はその人達のみで費用負担して行うと思っている人がたまにいますが、これは大きな間違いです。
マンション区分所有者全員で積み立てた修繕積立金から拠出することになります。
また、法定共用部分は登記する必要がないので登記しません(実務的には登記できない)が、3方が壁に囲まれていて登記できる部屋の場合、規約共用部分は登記(表示登記のみで可)することで、善意の第3者に対し、マンションの共用部分であることを主張できる(第3者対抗要件)というのが原則です。

どこからどこまでが専有部分で、どこからが共用部分かという境目ですが、ザックリといえば、コンクリートで造られている床・壁・天井そのものは共用部分で、それらに囲まれている空間が専有部分となります。
隣の住戸との境のコンクリートの壁は共用部分で、その壁に貼っているクロスまでが専有部分というイメージです。コンクリート壁に穴開けちゃダメですが、クロスは自由に張り替えていいですよ、ってことです。
断面的には、床コンクリートの表面上から天井コンクリートの表面下までの空間が専有部分となります。

今日つぶやいたことで「初耳」が2つ以上あった人はマンション買っちゃダメです。
管理組合が迷惑します。

次回も今更聞けないシリーズで。