マンション管理士の独り言・・・1052

マンション管理士の独り言・・・1052

「管理組合の設立時期」

多くのデべさんの上半期決算月である9月末までに多くのマンションで引き渡しが終わりました。
“何としても上半期に売り上げ計上しなくちゃ”と、無理な工程になってなければいいのですが・・・。
そして購入者へ引き渡しが終わり、入居が開始され、おおよそ8割くらいの入居が終わった時点で管理組合設立総会が開催されます。
設立総会では暫定的に付保していた共用部保険の付保、役員の選任、予算案などが審議されます。設立総会は8割くらいの入居があって開催されます。
何故8割かというと、5割程度の入居率で開催された総会で決議された議案が購入者の大多数の意見とは考えられないからです。
“たった半分の入居者の間で決まったことが、管理組合の意思って言えるの?”です。
したがって設立総会の開催時期というのはそのマンションの売れ行きに関わってきます。竣工完売マンションならば、入居開始後6か月くらいで開催されますが、遅ければ1年後、2年後というマンションもあります。
小倉北区のマンションでは設立総会が引き渡し後4年半で開催されたという事例もあります。

では、管理組合はいつ、設立されるのでしょう?
法律的には売主デベさんから購入者へ1つの住戸でも引き渡しが行われた時点で管理組合が設立されたとなります。
引渡しが1つでも行われれば、区分所有者は売主デベさんともう一人の複数人となります(=共有関係の発生)から、この時点で管理組合は設立となります。
「設立総会」とカンムリを付けて第1回目の総会が開催されますが、この「設立」という文言は一種のセレモニーみたいなもので、本当は管理組合はこの総会のずっと前に設立されているのです。

では、では、設立総会が開催される前には誰が責任もって管理組合活動を行なうの?となっちゃいますが、これは管理会社さんが行うことになります。
正式な理事長さんが選任されるまでの間、(=設立総会までの間)管理会社さんが理事長代行(=管理者)として管理組合活動を遂行します。
購入者は引き渡し時に、「管理に関する承認書」というのに署名捺印を求められたはずです。
ここには、主に“管理規約(案)を承認します。”という事と、“管理組合設立総会までの間は、管理会社が理事長代行として管理組合活動を行うことを承認します”とが明記されています。
つまり、購入者は理事長などが選任されるまでの間(=設立総会までの間)は、管理会社が理事長代行することを承認しているのです。

特にこの間(設立総会開催までの間)は、管理会社さんはより一層管理組合の利益第一に行動しなければなりません。
理事長などが決定後は理事長含む理事会の方針によって管理組合活動が実施されますが、設立総会開催までの間は、理事長代行という重い職責を担っているのですから、責任重大です。
仮に共用部分に瑕疵があったとしてその取扱いについては、売主デベさんの子会社或いは関係会社という立場は横に置いといて、管理組合の立場に立って行動しなければなりません。間違っても売主デベさんの“闇に葬ってしまえ”という意向があったとしてもそれを呑んではいけません。
理事長代行なんですから。

何のことを言っているのか、わかる人はわかる。