マンション管理士の独り言・・・1156

マンション管理士の独り言・・・1156

「管理会社変更」

管理会社変更コンサルのご用命が増えてきました。

“今の管理会社では不満なので他の管理会社へ変更したい!というもっともなご意見もあれば、”特に今の管理会社に不満はないけれど他社の話も聞きたいし比較してみたい“というご意見も増えてきています。

今までで最も強烈だったのは、もう長いこと理事長として君臨している方が、“今の管理会社フロントマンは若すぎて話が合わない。もうちょっと年配のフロントマンを派遣できる管理会社に変更したい”というのもありました。

管理会社変更に特に理由はいりません。管理委託契約書はそのような内容になっています。

北九州の管理会社さんは売主さん系列がほとんどですが、最近は新築後早い時期に他の管理会社さんへ変更されるケースも増えています。

これらは売主の不届きな販売方法や、何度言っても補修をしてくれないことに業を煮やした管理組合さんが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってことで系列の管理会社さんを変更するというものです。

“系列だから売主に物申してくれるのかと思っていたら全く役に立たないじゃん”と半ばペナルティのような感じで管理委託を解かれます。

変えられた管理会社さんからすれば“自分たちはしっかりやっていたのに売主の不誠実な対応のとばっちりを喰っちゃった”ような感じです。

管理会社変更に際しても、ノウハウがあります。組合員全員の共有である共用部分の維持管理やマンションライフを根底で支えてくれる管理会社の変更です。多くの組合員の合意のもとに行わなければなりません。当然ですが総会での決議が必要になります。

複数社から見積もりを取ることになりますが、その複数社をどうやって選ぶのか?から始まり、その見積もりに現在の管理会社さんも加えるのか?現在の管理仕様でいいのか?共通仕様書はどのようにするのか?今いる管理人さんや清掃員の処遇は?などを決めていかなければなりません。

見積もり提出する管理会社さんが、それぞれ独自の管理仕様では金額にバラツキが出ます。共通仕様書は必須です。

更に、清掃用具は管理組合支給か管理会社負担か?議事録は全員へ配布するのか掲示のみか?理事会頻度は?議事録やその他資料のコピー代金はいくらなのか?など細々したところでも金額は異なってきます。

大規模修繕工事時の施工業者選定と同じです。公平性・透明性が何より大事です。

管理会社変更手続きを行うのは必ずと言っていいほど管理組合さんにメリットがあります。競争見積もりの結果、仮に現在の管理会社さんを継続となっても多くの場合管理委託料金は下がりますし、以降のフロントマンや管理人さんはピリッとした態度になります。

マンション購入時には売主が当初決めた管理会社さんが管理を行います。そこには管理組合の意思は全く入っておらず、言わばあてがわれた管理会社さんです。競争原理も全く働いていませんし、その管理会社さんの管理の内容が良いのか悪いのかさえ分かりません。

売主の同系、あるいは子会社の管理会社だから何かあれば売主に強く意見することが出来る、なんてことはない、というのが実感です。

先日長谷工コミュニティ九州支店長と話す機会がありました。

“3年ほど前北九州に進出した当時は管理をいただいている管理組合さんは10にも満たないと言っていましたが、現在は50組合さんを超えました”と言っていました。

相変わらず日本ハウズイングは管理棟数を伸ばしていますし、章栄管理も日の出の勢いです。結構頻繁に管理会社変更は行われているようです。

つぶやき主へのご依頼が増えるわけです。