マンション管理士の独り言・・・1200
「受水槽」
マンションの給水方法には大きく3種類あります。
①受水槽方式 ②受水槽+高置水槽方式 ③直結増圧給水方式です。
受水槽方式とは前面道路からマンション敷地内の受水槽に水を一旦溜めてそこからポンプで各戸へ加圧給水するものです。
受水槽+高置水槽方式とは、受水槽に水を溜めるまでは一緒ですが、そこからポンプで屋上にある高置水槽へ溜めなおし、重力で各戸へ給水するものです。
直結増圧給水方式とは、現在主流の給水方式で前面道路本管から直接各戸へポンプで加圧給水するものです。平たく言えば戸建てと同じ給水方式です。
水道局が管理しなければならないのは、初めにカランがあるところまでですから、受水槽方式や高置水槽方式では受水槽に給水するカランまでで、そこから各戸までは管理組合が管理責任を負うこととなります。
したがって受水槽の清掃や維持管理は管理組合が行わなければなりません。
平成10年以降に建てられたマンションはほとんどが直結増圧給水方式ですが、それ以前のものは受水槽方式が主流でした。
衛生的ですし、維持費もかかりませんので直結増圧給水がいいに決まっていますが、変更するには戸当り15万円程度必要になります。
受水槽は年に1度の清掃が義務付けられています。また、10㎥を超える受水槽の場合(戸数にして50戸超くらい)、年に1度の定期報告(残留塩素濃度など)が義務付けられています。
平成4年竣工のマンションです。受水槽方式で各戸へ給水しています。
3年ほど前から高層階にお住いの複数人から、“夏場、水道水が臭い”という苦情が出るようになりました。
水道業者へ原因を聞きましたが、“これだ”というものが見つかりません。
このマンションでは、8年ほど前に大規模修繕工事を実施したのですが、受水槽については何も手を加えていません。
FRP製の受水槽を指で撫でつけてみると、塗装が剥げて指先が白くなります。
チョーキングという現象です。
受水槽の外装塗装が剥げると、内部に太陽光が届いてしまい、光合成が活発になり苔などが生えやすい環境となってしまい、衛生上宜しくありません。
そこで塗装を行うこととしました。外装へフィルムを貼ることも考えたのですが、あまりいい商品が見つからずオーソドックスな方法である塗装することとしました。
更に年1回の清掃を2回に増やすこととしました。
これで治まればいいのですが、・・・。
塗装+清掃回数を増やすことで“臭い”が治まったかどうかを後日つぶやきます。
同じような苦情が出ている管理組合さんのお手本になれば、でした。
大規模修繕工事の代替え駐車場の手配がほとんど終わりました。誰もがアッ!と驚くようなところから借りてきちゃいます。代替え駐車場手配はこれまで1度も失敗していません。
手配師みたい。