マンション管理士の独り言・・・1218
「道路段差」
北九州市でも古くなった配水管の取り換え工事が少しずつですが進んでいます。
もう10年近くお世話しているマンションの前面道路が今年度の対象になりました。
先日、水道局担当者や施工する業者さんを呼んで工事内容をお聞きしました。
工事対象の道路に面する駐車区画などもあり、組合員へ協力をお願いしないといけないこともありそうです。
実際に道路へ出て、アスファルトにカッター入れる個所や仕上げ方法などもお聞きしました。
道路に面した駐車区画には、道路との際に側溝があり、側溝蓋がかぶさっています。
コンクリート製で厚みが8㎝くらいあります。したがって側溝蓋は道路から8㎝高くなっている状況で、そのままでは車両の出入りの都度、タイヤが8㎝を乗り上げることになってしまいます。
そこで、8㎝の段差を解消するために道路へ斜めにアスファルトを擦り付けています。
また側溝蓋が道路より高い現在の状態では、この側溝は雨水排水には全く役立っていません。
簡単に言えば、マンション建設時にGL(グランドレベル)の取り方が間違っていて、道路より8㎝高く設定してしまったのです。
これを解消するために8㎝厚の側溝蓋をかぶせ、そのままでは車両出入りに支障をきたすので側溝蓋と道路へ斜めにアスファルトを擦り付けて仕上げた。というところだと考えられます。
道路の現状にこのように変更を加えるには、道路管理課の承諾が必要ですが、おそらく申請さえしていないと考えられます。
申請しても承諾を得られるとは思えませんので、「コッソリ、やってしまえ」ってなもんでしょう。
今回の配水管取り換え工事の発注先は北九州市なので、側溝蓋と道路との段差を解消すべくアスファルトを擦り付けるような「道路現状に無許可で手を加える」ことはやってもらえません。
施工する業者さんは「道路管理課の承諾を得てください。承諾が得られたのならば、そのような仕上げをします」です。
このままでは、道路と側溝蓋とで8㎝の段差が生じ、駐車場出入りの際に支障をきたしますし、歩行の場合もつまずき事故が発生する可能性があり危険です。
段差を解消するのに1番簡便で安価で済む方法は、ホームセンターで売っている「ジョイステップ」などを側溝蓋と道路との間に置くことです。
側面が開いている「ジョイステップ」ならば、雨水が流れるので水が溜まることもなさそうです。理事会でも「ジョイステップ」を買ってきて置けばいいじゃん、って意見が出されます。
しかし「ジョイステップ」は、道路現状変更に該当し、本来ならば道路管理課の承諾が必要です。町でよく見かける「ジョイステップ」」施工は、この承諾なんて得ていません。
「こんな些細なことでいちいち目くじら立てることないから、こっそりやってしまえ」ですが、実際にはその通りで道路管理課から撤去指導が出たなんて聞いたことがありません。
これを管理組合で実施するのはまず不可能です。必ず一部の組合員さんから、「道路管理課の承諾を得たのか」「皆のお金である管理費で違法性のあるものを購入するのか」ってお声が上がります。また、もしこの「ジョイステップ」でつまずき事故が発生したら管理組合が責任を負わないといけなくなってしまいます。
段差を解消するためのコンクリート製側溝蓋を新たに作成するか、もしくはグレーチングを施工しないといけなくなりそうです。また全く予想もしていなかったお金がかかりそうです。