マンション管理士の独り言・・・1225

マンション管理士の独り言・・・1225

「身の毛もよだつマンション」

前回は、背筋も凍る、でしたが今回は身の毛もよだつで、ゾクッゾクッとして下さい。

小倉北区のマンションです。

引き渡し後、1週間くらい経過したころ1階の区分所有者からのお問い合わせです。

1階なので床下収納が設置されていますが、「床下収納の収まりが悪い。段々ひどくなっている」という苦情です。

売主さんに連絡し、工事担当者が現場確認のため訪問しました。

床下収納を枠ごと取り外してみたら、ナント、異臭をはなつ雑排水が床下いっぱいに溜まっています。お風呂の排水管がつながっておらず、入浴後の抜いたお湯が全部床下に溜まっているという惨状でした。

床下収納は、収まりが悪いというのではなく、プカンプカンと浮いていたのです。

畳も剥いでみたら、大きなネズミの死骸まで出てきちゃいました。工事担当者は、土下座して謝っていました。

原因は、売主の要請で何としても3月末までに引き渡しをしないといけなかったことによる工期不足でした。

続いては、これも小倉北区のマンションです。豪雨時には毎回外階段からの雨水がエントランスに流れ込みます。

このため大雨時には、役員さん総出で土嚢を置いて雨水の浸水を防いでいました。

エントランス横には、大雨のためにいつも土嚢が積まれているという少し変わった光景でした。外階段に雨水排水管がないことが大きな原因です。

つぶやき主に大規模修繕工事のコーディネートのご依頼があり、竣工図書を調べてみると、

外階段には雨水竪管が設置されるようになっています。

この件を売主に指摘すると、「雨水竪管がついていない現状が正しいのであって、竣工図書の方が間違っている」という呆気にとられるような回答です。

勿論そんな屁理屈がつぶやき主に通るわけありません。築10年超でしたが、すべて売主負担でやり変えてもらいました。

このマンションでは、10階より上の住戸の窓には火災時のためにシャッターが取り付けられていました。しかし、シャッター戸袋と梁が緩衝しているように見えて仕方ありません。

「まさか梁を切っているわけないだろうから、検査時のためだけのダミーのシャッター取り付けてんの?」というつぶやき主の質問に実際にシャッターを下ろしてみることにしました。するとシャッターはしっかりと機能しています。戸袋も健全です。

梁の下部を切ってしまっているのです。呆れて言葉を失いました。

鉄骨を溶接し、梁の下部を補強するという方法で対応させました。

竣工図書と言えば、これも小倉北区のマンションです。

エントランス前が大雨時に浸水します。竣工図書を確認してみると実際には設置されていない排水ドレンがコーナーに設置されているようになっています。

売主に対し「竣工図書には設置されている排水ドレンが実際には設置されてないじゃん」というつぶやき主の問いかけに、「つぶやき主さん。よく見てくださいよ。竣工図書には排水ドレンは設置されていませんよ」って狐につままれた様な回答です。

「おかしいな、何度も確認したのにな」でしたが、更にもう一度確認しましたが竣工図書には排水ドレンが設置されています。

理由が分かりました。施工業者が、管理組合と売主とに異なった竣工図書を引き渡しているのです。そして施工業者が持っている竣工図書も管理組合・売主とそれと異なっていることも判明しました。

要するに3つの竣工図書があって、どれが正なのかわからない、ひょっとすると、3つとも正ではないかもしれない、ってことです。

しっかり現状を確認して正しい竣工図書を作成しなおしてもらいました。

今度はまず大丈夫だろうと思っています。

マンション固有名詞は控えますが、すべて事実です。どうです、少しは、ゾッとしましたか。