マンション管理士の独り言・・・1242

マンション管理士の独り言・・・1242

「排水管高圧洗浄」

築23年の小倉北区のマンションです。ワンフロア―3戸で、このころのマンションにしては珍しくSRC造の15階建て、です。

排水管洗浄を2年の1度のペースで行っていましたが、先日2階の住戸のキッチン排水が逆流してしまいました。

もう1か月もすれば排水管高圧洗浄に時期だったのに、・・と残念です。

マンション排水管は最上階からの住戸の排水管が竪管として2階までつながっています。

1階まではつながっておらず2階までです。1階は別個に独立排水管となっています。

上の階からの排水管を1階までつなげていると、もし排水管が詰まれば1階住戸に多大な損害が発生しますので、1階は別途の独立した排水管となっています。

その分2階住戸が上階全ての住戸の排水管の終着地点となっています。

今回の逆流はキッチンで発生したもので、トイレ排水(汚物)でなく雑排水ですが、食料残飯などが溢れて掃除や異臭で居住者には大層ご迷惑をお掛けしました。

こんな時、北九州では福設サービスという頼りがいのある業者さんがいますので、緊急対応していただきましたが、「築20年を超えたら2年に1度の排水管洗浄ではなく、1年に1度の方が良いですよ」とのアドバイスがありました。

このマンションは15階建てですから、1つの排水竪管が2階までの合計14戸の住戸の雑排水を受け持っていることになります。

例えば5階建てならば排水竪管は4つの住戸しか受け持たないのですが15階建てだからその分排水竪管の受け持ち住戸(=14戸)が多くなっています。

マンション全体の戸数が同じであっても15階建てと5階建てならば、排水竪管の受け持ち住戸が3倍以上も違ってくることになります。

その分ラードなどの付着物が増え、排水竪管が詰まりやすくなってしまいます。

それを一律2年に1度の高圧洗浄では、合理的ではありません。

5階建てマンションで2年に一度の頻度ならば15階建てでは、少なくても1年に1度以上の高圧洗浄が必要になってきます。

排水管高圧洗浄は、単純に何年に1度とかで決めるのではなく、階数や築年数なども考慮して頻度を決めなければなりません。

受け持ち住戸が少ない排水竪管マンションであっても最低でも2年に1度は必要かなって感じです。

今回の被害にあわれた住戸ではキッチンの取り換えをご希望されています。無理もないご要望です。

共用部保険の申請を行いますが、取り換え費用全額が保証されるかどうかはわかりません。

もし全額の給付にならない場合は、不足分は管理組合負担です。被害にあわれた方の負担ではありません。

管理費削減となれば真っ先に挙げられるのが排水管高圧洗浄の頻度ですが、頻度を落とした結果、被害が発生した時の補修費用は莫大なものになります。

目先の削減額ばかりに目を奪われないようにしなければなりません。