マンション管理士の独り言・・・1253

マンション管理士の独り言・・・1253

「トラブルばっかし」

福岡県マンション管理士会北九州支部の偉いお方がたまに遊びに来られます。

過日は手土産に赤霧をいただきました。「赤霧って呑んだことありません。黒霧とどっちが旨いの?」って聞くと「赤霧ですよ。値段も高いし。でももっと旨いのがありますよ」

「それって何ですか?」・・・・・「これっきり」    唖然

その御仁が、「マンション管理士は貯えが沢山ある人か、配偶者に高額収入のある人しか仕事しちゃいけない。マンション管理士だけで飯食っていこうとすれば、難儀な相談でも受けざるを得なくなり、やがて身動き取れなくなる」とよく言われていました。

これは一面真実です。

しかし持ち込まれるご相談は難儀なトラブルしかないっていうのが実情です。

管理組合や管理会社ではどうしようもなくなって、藁をもすがるつもりで持ち込まれるご相談ばかりです。

その内容は、管理組合内部での人間関係のゴタゴタ、管理組合と管理会社との間のトラブル、上下階の騒音トラブル、最近では不良施工に起因して管理組合と売主とのトラブルが増えています。

「もう手遅れです。早く売って転居した方が良いですよ」と何度口から出かかったことか。

”でもそれを言っちゃあお終いよ。”です。

そりゃそうです。平穏無事な管理組合さんで管理会社に管理委託しているのに、わざわざお金払ってマンション管理士なんて雇わないですよ。

そんな現実もあって、つぶやき主はトラブル駆け込み寺になっています。

その結果、対峙する理事長さんや管理会社さん、売主さんからはとても恨まれる役回りです。

恨まれる役回りのわりにフィーが少なく、しかも遅い。ただし刺激だけは十分すぎるほどにあります。脳だけはいつもフル回転です。

1月14日にマンション管理士試験の合格発表があります。毎年900人くらいの新人マンション管理士が産声をあげます。合格した新人さんは、その多くが管理会社さん勤務です。独立開業しようなんて方は滅多にお目にかかりません。

マンション管理士を採用しようと思って理事会で諮っても、管理会社さんから”マンション管理士ならうちにもいます。そこでご相談にも応じます。わざわざお金出して外部のマンション管理士雇うことありませんよ”でシャンシャンです。

管理会社にお勤めのマンション管理士さんは、知識や経験も豊富だと思いますが、従業員である以上、その管理会社の意向に反した立ち居振る舞いは出来ません。

そこがつぶやき主と決定的に違うところです。

最近になって2件の方がマンション売却して出て行かれました。2件とも上階からの騒音に耐えられないことが原因の転居です。

いろいろと手を尽くしたのですが、焼け石に水でした。

マンション管理士だって、出来ないものは出来ない。

特に最近は、出来ないものが増えてきたって感じです。