マンション管理士の独り言・・・1351
「正月そうそう・・・」
2023年が幕開けしました。特定の誰かに言っているわけではありませんが、本年もよろしくお願いします、です。
正月そうそう、八幡で漏水事故です。このマンションはピロティ構造になっています。
ピロティとは1階の多くの部分が柱のみで構成され、一般的にはその空間部分は駐車場として使用されます。街中に多く見られ駐車区画を確保するために用いられることが多い構造です。下駄ばきマンションともいわれます。
ピロティの天井は天井コンクリートとの間に石膏ボードで造られ、この間に配管や配線、換気口が設備されます。
漏水が発生したのは、このピロティ天井です。
異臭がしますし、よく見ると天井ボードにシミらしきものも見られます。
点検口からはよく確認できません。急ぎ天井ボードを切り開け状況を確認します。
排水管のジョイント部分からの漏水です。悪いことに汚水です。
汚水管を切り開けてみると中から、子供のこぶしくらいのタワシが詰まっていました。
このマンションはまだ築年数も浅く、管理組合は施工不良を言いつのり売主サイドに無償の手直しを求めます。天井ボードの全部の張り替えを求めます。汚水ですから清掃では汚れは落とせても臭いまでは解消できないからという理由です。
しかし売主サイドは、住民がこぶし大のタワシを詰まらせたことが原因なので、施工不良ではない、保険などを利用して対応してほしいとの主張です。
以前にもこういうことがありました。トイレ利用後に水を流して、何のトラブルもなく流れる場合とゴボッゴボッと異音がしてチョロチョロとしか流れない場合があるのです。
汚水管にファイバースコープを入れて調査です。何か大きなものが挟まっているようです。汚水管を切り開けてみるとなんと、5cm真四角、長さ1m程度の発泡スチロールの棒が挟まっていました。
それが水を流す都度斜めになり、水流の妨げになっているようでした。
「職人さんがこんなもの忘れていました」と管理組合に説明し、管理組合さんも「とぼけた職人さんだ」と半ば笑い話のように納得いただきました。
しかし設備屋さんとの間では、「わざとだ。職人さんはわざと挟み込んだ」で意見が一致しました。
新築工事の際、“現場監督から辛く当たられた”とか“工期がないからといって夜中まで作業させられた”とか“安く請け負わされた”などで反感を持った職人さんが仕返しをしたのです。
こぶし大のタワシを住民が流すわけないし、1mの棒が挟まれているのに気が付かないわけありません。
わざとの仕返しです。
つぶやき主が販売センター長だった時に現場事務所からボヤが出たことが1回。夜間現場事務所の備品が盗まれたことが1回あります。
職人さんも人間ですから、気持ちよく仕事できる現場にしましょう。