マンション管理士の独り言・・・1359

マンション管理士の独り言・・・1359

「マンション格言」

マンション関連の格言は沢山ありそうですが、2つばかりご紹介します。

先ずは、「共有は紛争の母」。

これは何度もつぶやいていますが、マンション関連というより民法の格言です。

1つのモノを2人以上の複数人・多人数で所有すると必ず問題が生じる、ってことです。

ですから民法では、なるべく共有関係を解消し、単独所有にしよう、しようとしています。

そもそも民法で想定している、“共有になる人間関係”は知った人同士、仲のいい仲間、親族などです。

気の合った仲間で野球クラブを作り皆でお金を出し合ってベースやヘルメット、バットを購入した。この場合はベースやヘルメット、バットに関し共有関係となります。

お父さんが亡くなった。法定相続によりお母さんと子供さんとが相続財産について共有関係になる、なんて場合です。

しかし“泣く泣くも良い方を取る形見分け”という諺があるように、親族間でも醜い遺産相続問題が発生することがあります。

知った者同士、親族間でも共有関係になると問題が発生することがあるのに、ましてや分譲マンションでは、見たことも会ったこともない、年齢や社会的地位、家族構成などが違う全くの赤の他人が廊下・階段・外壁などの共用部分や敷地に関し共有関係になるのです。

揉めないわけがありません。

そうならないように、マンション購入時に管理規約や使用細則などで、マンション管理組合の合意形成の方法や総会の開催方法、決議要件、住まう上でのルールなどを開示し、それを理解納得したうえでマンションを購入するってなっています。

“管理規約や使用細則なんて窮屈そうだけど、このマンション買う人は皆それを守るって約束しなきゃだね。私はそれを守るって約束する。皆も守ってね”です。

それでも守らない人がいるから厄介です。

続いては、「仲のいい隣人はいない」。これは韓国の格言だそうです。

日本をにらんでの言葉なのかな?と勘繰っちゃいますが、残念ながらマンションには“大当たり”です。

上階下階、隣家からの騒音。家人が留守中のペットの無駄吠え、ピアノの練習音、子供さんの飛び跳ね音、バルコニーでの喫煙、焼き肉の臭いや煙・・・・などなど言い出したらキリがないほどです。

最近ではお隣がバルコニーに干している洗濯物の柔軟剤の臭いなんていう苦情も持ち込まれました。

そのほか、来客用駐車場のルール違反の使用などはどの管理組合さんでも頭を抱えている問題だと思います。

決して仲良しになる必要はありませんが、社会人として共有者として、せめてルールを守る、挨拶はするってだけでもしなくちゃです。