マンション管理士の独り言・・・1360

マンション管理士の独り言・・・1360

「ペット?コンパニオン?」

最近分譲の全てのマンションは、ペット飼育可です。15年ほど前は、ペット飼育可と飼育不可マンションとが同じくらいの比率だったのですが、最近では飼育可が100%となっています。

屋号に飼育していたワンちゃんの名前(エース)をいただくほどワンちゃん大好きつぶやき主ですが、マンションでワンちゃんを飼うことに諸手を上げて賛成かというとそうでもありません。

ワンちゃんでも猫ちゃんでも、買主さんやその家族が精神的に満たされる、癒されることを期待して飼うのでしょうが、残念ながら真逆な方向に行く事例をいくつも見てきました。

特にワンちゃんの場合、個体の大きさや犬種にもよりますが、散歩が欠かせません。

いくら小さなチワワだって365日1日中部屋の中で飼っているとストレスが溜まり問題行動を起こすようになります。

バルコニーに出すことはどのマンションだって禁止されています。

ストレスのたまったワンちゃんは無駄吠えを起こすようになります。玄関前を人が通るたびに室内から吠え掛かります。玄関ホールに出さないように居間で飼っていても、効果は見られません。居間のドア越しに吠え掛かります。

また、どこからかワンちゃんの吠える声が聞こえてくると共鳴して吠え始めます。

救急車や消防車のサイレンにも共鳴する個体もあります。

散歩を十分に行っているワンちゃんだって、買主さんが不在の時には吠え掛かることがあります。

それではと、久しぶりに散歩へ連れ出そうとすると、部屋から一歩外へ出た瞬間から大興奮で吠え出します。

家人が在宅の時は、無駄吠えしませんが、どこへも外出せず、ずっと在宅することは出来ません。

家族全員が出払った時には、アルバイトを雇って家にいてもらうなんて対応をしているご家庭もあります。

毎朝出勤時に、隣の玄関先を通るたびにワンちゃんに吠え掛かられて、朝から嫌な気分で出社してる、なんて苦情が何度も寄せられました。

そのうちに飼育者の方が、ワンちゃんの無駄吠えが気になって、またご近所から苦情があるのではと、メンタルがやられてしまいます。

こうなるとワンちゃんを飼ったがゆえに、飼育者もご近所さんも皆不幸になってしまいます。

ご相談を受け飼育者と相談の上、苦渋の選択ながら声帯手術を行ってくれる獣医さんも探してみましたが、現在ではペット虐待にあたるとの理由で、施術してくれるところはありませんでした。

ワンちゃんを選ぶ場合は、無駄吠えをしないという躾がなされた個体を飼育されることをおススメします。

子犬の時から家に迎えることは出来ないかもしれませんが、飼育者、ご家族、ご近所さんの安寧な生活のためにも十分なトレーニングを受けたワンちゃんを選ぶようにしましょう。

大丈夫です。子犬でなくてもワンちゃんは十分可愛いですよ。