マンション管理士の独り言・・・1370

マンション管理士の独り言・・・1370

「売主さん、施工会社さん(ゼネコン)、設計会社さん、販売代理会社さん、管理会社さん」

マンションを分譲するにあたっていろんな役割の会社が名を連ねます。

先ずは、そのマンションの売主さん。デベロッパーさん、分譲主さんなどとも言われます。このマンションを企画分譲して売主となって購入者との間で売買契約を結ぶ立場です。

続いては施工会社(ゼネコン)さん。施工会社さんはそのマンションを建てる建設会社です。

売主さんとの間で工事請負契約を締結し、決められた期間内に、与えられた設計図通りの建物を建てるのがお仕事です。契約上は、売主さんが発注者、施工会社が請負者となります。

その施工会社さんへ、”こんな建物を建ててよ”って設計図や仕様書を示して、指示するのが設計会社さんです。

基本的に施工会社さんは、設計図に従って建築します。

建物が竣工したのちに、いろんな不具合施工が現れますが、施工精度が低い場合(手が荒い)は施工会社さんの不手際です。

しかし、そうでなく設計図通りに作ったのに使い勝手が悪いなどは施工会社さんの責任ではありません。設計会社さんの能力不足によるものです。簡単にいえば設計ミスです。

マンション入居後に不具合が発見されたときに、それが手が荒い仕上げならば施工会社さんの責任でしょうが、そもそもの設計がオカシイものは設計会社さんの責任です。

このあたりをきちんと把握していないといけません。

何でもかんでも施工会社さんに苦情を申し立てれば良いというものではありません。

苦情の多くは、施工会社さんの手が荒い仕上げというよりも、そもそもこんなヘンテコな仕様や仕上げを設計している場合、つまりは設計ミスが原因といえるものが占めます。

施工会社さんからすれば、”ウチは設計図通りにキチンと作ってるから責任ないのに、何故入居者から怒られなきゃなんないの“ってなります。

続いては販売代理会社さん。売主さんからこのマンションの販売だけを請け負った会社です。販売センターに詰めて来場者を接客し、申込~契約~引き渡しまでを行う会社さんです。

1戸売れば手数料が何%(通常は売買価格の3~6%)が得られるって会社さんです。

当然ながらそのマンションの出来栄えとか施工精度に責任なんて全くありません。

入居後に施工について苦情を申し立てても、苦情受付くらいはしてくれますが、“売主さんに言っておきます。”でおしまいとなる場合がほとんどです。

また売主さんは、販売会社さんと購入者さんとの約束は売主さんとは関係ないっていうのが基本的スタンスです。重説などに明記している場合もあります。

新築マンション購入者は、売主担当者を紹介してもらっていた方が良いでしょう。

最後は管理会社さん。管理会社さんはマンション建築には関与していません。

入居後の共用部分の維持管理をマンション購入者全員で構成する管理組合から委託されて行う会社さんです。入居説明会辺りから、ぼちぼち顔を出して来ます。

入居後は、施工精度の苦情窓口にもなります。

マンション販売開始~入居までそれぞれ受け持っている担当部署が違うので、どこが窓口になるのか理解しておくことが必要です。

しかし、最終的にはすべて売主さんが責任を負います。苦情窓口が分かんないときは売主さんで、間違いありません。