マンション管理士の独り言・・・1394

マンション管理士の独り言・・・1394

「不在区分所有者協力金」

外部組合員協力金とネーミングしている管理組合さんもあります。

そのマンションの区分所有者なのですが、そこには住んでおらず所有住戸を他の第3者へ貸している人のことです。外部オーナーさんです。

ワンルームや1DKマンションでは、始めからそこに住むつもりはなく、賃貸に出して家賃収入を得ようとする投資目的の場合が多いようです。

3LDKや4LDKの家族向けマンション(実需)では、当初は住んでいたが転勤などでほかの第3者へ賃貸に出すというケースが多いようです。

これら不在区分所有者(外部所有者、外部オーナー)へ管理費に上乗せして協力金を負担いただこうとするものです。

実際の管理の現場では、これら不在区分所有者には住んでいないことで余計に手間暇、そしてお金がかかります。

そこに住んでいないからと言っても総会の議案書を送らなくてはならないし、その他アンケートだって郵送する場合もあります。封入作業から切手代だって往復分かかります。

これらに要する費用は、多くの管理組合では管理費で支出しています。

更に、多くに管理組合では、これら不在区分所有者は役員就任を免除されます。

物理的に遠方にお住いの方は役員活動は出来ません。

不在区分所有者なので役員に就任しなくていいが、そのマンションは他の組合員によりキチンと管理組合活動がなされていて、廊下階段は掃除が行き届いている、エレベーターなど設備も故障せず快適に稼働している。

管理良好物件でその果実として賃貸に出している所有住戸が高い家賃を設定できている。

自分は役員に就任することなく、いわば組合員としての責任を果たしていないのに、他の役員さんの努力の結果で管理良好マンションとなり、そのお陰で空室になることもなく、高い家賃を設定できている。

結果として組合員としての義務は果たさずに、一方的に利益だけを得ている、ということになっています。

これは不公平だろうということで管理組合が不在区分所有者を狙い撃ちにして、月額2500円の区分所有者協力金を徴収することとしました。これが有効かどうかが争われた裁判で2010年1月26日最高裁では、これを有効と認めたものです。

それ以来、多くの管理組合で規約を、「管理組合は不在区分所有者に対し、総会の決議をもって不在区分所有者協力金を徴収することが出来る」と変更しました。

負担金額については、総会の決議で決するとしているところと初めから2500円と明示しているところもあります。

2500円が適正かどうかは別にして、不在区分所有者には管理組合として余計に手間暇、それにお金がかかっていることは事実です。

それらを管理組合が負担するのは筋が違っています。

簡単な例が、不在区分所有者に総会議案書を送る際の切手代を管理組合が負担するのはオカシイと誰もが思うはずです。

不在区分所有者協力金はあってしかるべきだと思います。

しかし、注意も必要です。それは次回つぶやきます。