マンション管理士の独り言・・・1409

マンション管理士の独り言・・・1409

「こどもエコすまい支援事業」

「こどもエコすまい支援事業」は、国交省が行っている支援事業です。一見するとマンション管理組合に何の関係もないようですが、結構イケてる事業です。

この事業の概要は、“エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。”と謳われています。総事業予算は約1700億円です。

分譲マンション管理組合には、「住宅の省エネ改修など」の部分が該当し、補助金を受けることが出来ます。

つぶやき主は2件をお世話しました。

1件は、玄関ドア取り換え工事です。築30年を超えるマンションで玄関ドアを全戸一斉に取り換えることに成りました。既存の玄関枠の上に新しい枠を被せて施工する、いわゆる“かぶせ工法”です。1戸当たり約25万円くらいかかりますが、そのうち4万円がこの事業での補助金対象となりました。設置する玄関ドアの性能によって、補助金の額が3万、もしくは4万円となりますが、本件では4万円の補助金を受給できることとなりました。

もう一つの物件は築40年超のマンションで北側と南側のサッシュを二重サッシュに変更しました。これも既存のサッシュ枠を利用した“かぶせ工法”です。足場を組んでの作業となり5000万円超の支出となりましたが、800万円近くの補助金を受給できる予定です。

どちらのマンションも以前より“はやく工事(今回の)をやらなきゃ”って多くの方よりご意見があがっていましたが、本支援事業が背中を押してくれました。

かつて東京オリンピック開催に合わせて、2Kや4K右回線しか視聴できないアンテナシステムを4K左回線や8Kまで視聴できるような改修工事に対し補助金が受けられるという制度がありました。

しかし、この補助金は新築マンション向けに大手デべさんが嘗めるように持って行ってしまい、すでに建っているマンション管理組合さんには回ってきませんでした。

予算に到達した、使い切ってしまったというやつです。

今回は既存の管理組合さんの役にも立っているようです。

この「こどもエコすまい支援事業」は年度途中であっても予算を使い切ればそこで終了です。工事に着工していれば、予約というかたちで補助金を押さえることもできます。

ただし、本事業は工事を行うのは「こどもエコすまい支援事業」に登録している施工業者に限られますのでご注意を。

また、分譲マンションでは総会での承認が必要になりますが、“「こどもエコすまい支援事業」に申し込むが間違いなく補助金が受給できるということではない”ということを文言として添えることをお忘れなく。