マンション管理士の独り言・・・1412

マンション管理士の独り言・・・1412

「本当の第3者管理方式」

しつこくも「第3者管理方式」に関連して3回もつぶやきます。

現在北九州で某社が推奨しているのは、管理会社が理事長になり、理事会も置かない、監事は関連会社が行う、というものです。

ご丁寧に分譲時の管理規約(原始管理規約という)には、理事長・監事に関する“章”がそっくり抜け落としています。

“これじゃ管理組合としてチェック機能が働かないじゃん”と仮に将来管理組合が、理事会を設立し理事長職・監事職を取り戻そうとしても管理規約の改正から臨まなくてはならなくなり、とてもハードルが高く、かなりの熱量を要する作業になります。

分譲マンションは共用部分や敷地という共有関係にある部分の維持管理を行うのに当たって、民法や区分所有法、管理規約の知識が必要となります。

また、建築や設備に関しても一定以上の知識が必要です。

国交省ではこれらの維持管理を、素人の集団である管理組合の自治に委ねるのは危うい面もあり、“餅は餅屋”ってことで第3者である専門家に依頼する方法もありますよ、って「第3者管理方式」を推奨しています。

3つのパターンがあることは前回つぶやきましたが、そのいずれもが「第3者に任せっきりではいけませんよ。必ず管理組合のチェックが入る機能を確保してくださいよ」ってなっています。

そもそも国交省が「第3者管理方式」の専門家として想定しているのは、マンション管理士や弁護士、、1級建築士などです。管理会社は想定していません。

その中でも、一番のご推奨はマンション管理士だと言うのは、言い過ぎでしょうか?

ここからは手前味噌ですが、「第3者管理方式」の専門家はマンション管理士が抜きんでています。法律に関しては弁護士には敵いません。建築や設備に関しては1級建築士には及びません。

しかし、マンション関連の法律や、建築設備に関する知識や経験は、それぞれの専門家である弁護士や1級建築士には及ばないものの、管理運営するために必要な最低基準は大きく超えています。

マンションの管理運営には、合意形成のための総会議案の作成や各種アンケート作成や掲示物作成能力も必要です。

住まいに関する様々なトラブルを解決するノウハウやスキルも必要です。

「理事になりたくない、ましてや理事長なんて絶対イヤだ」「月に1度の理事会出席なんてまっぴらだ」「住民からの各種苦情なんてうっとおしい」「総会で議長なんて務めたくない」「管理規約なんて読むのもおっくうだし読んでもわからない」「建築設備の知識もないし、今から勉強するつもりもない」「誰か好きな人、暇な人がやってよ」なんてのがマンション購入者の本音だと思います。

そんな時は、自分が理事をやらなくていい分だけのお金を出してマンション管理士に依頼し、マンション管理士の基で管理会社は適正な維持管理を行う、っていうのが一番理にかなった管理方法です。

ただし、マンション管理士が独善的にならないように、理事会や監事職は必須です。

おそらく国交省もそれが一番と考えています。