マンション管理士の独り言・・・1413

マンション管理士の独り言・・・1413

「新築マンション購入読本 その①」

仕事で疲れて帰宅して、暖かいお風呂に入って家族団らんで食卓を囲い、キンキンに冷えたビールを飲んで、疲れをいやし、明日へのエネルギーを養う。また明日も頑張るぞ、って気持ちになるためにも住まいは重要です。

マンションを購入する方全員がそのように考えて終の棲家として、癒しの場所としてマンションを購入するのです。

ごくまれに投資目的で方もあるようですが、そんな方だって少しでも「良いマンションを」っていう思いには違いがありません。

そういう思いでマンションを購入したのに、“トラブルばっかりで、帰宅してもちっとも疲れが取れない。こんなマンション買うんじゃなかった”って当てが外れた方も少なからずいると思われます。

そんな方は“トラブルのないマンションを購入しようと思っていた。こんなトラブルに巻き込まれることが初めからわかっていたら購入しなかった。”“購入前にわかるわけないじゃん”と思っていることでしょう。

しかしそうでもありません。竣工前であっても、入居後トラブルが発生する{種}を多く含んでいるマンションはわかります。

例えば、タイルの剥落を始めとする建物の瑕疵は、適正な建築工期を確保できているかどうかでわかります。

適正な工期が確保されていない建物では、塗装の剥がれやタイル剥離が起きやすくなります。早ければ築3年後位から塗装が剥げだします。

適正な建築工期かどうかは、パンフレットの建築確認申請が下りた日時から、竣工までの期間でわかりますが、最近では建築確認の番号だけを記し、それがいつ下りたかを敢えて記載しない業者も増えています。建築工期を分からないようにしているとしか考えられません。

竣工前物件だから少しでも多くの情報を提供しなければならないという売主として当たり前の姿勢とは真逆のベクトルへ向かってる売主さんが増えているようで心配です。

そんな売主さんに限って「顧客第一主義」なんてのを標榜しているので開いた口がふさがりません。

また、年度末である3月末引き渡し物件には一段と注意する必要があります。

何としても今年度の売り上げに入れたいがために無理をして3月末引き渡しとしているケースがよく見られます。3月末引き渡し物件まではいかなくとも、上半期での引き渡しを目指し9月末引き渡し物件も要注意です。

どのマンションでも必ず付いて回る騒音トラブルですが、これも上階からの遮音性能もパンフレットなどでおおよそ分かります。

どの売主さんも、階下への遮音性能については確定的は数値を提示していません。

「LL○○になるような床材を使用しています。」程度です。そして重説などに小さく、「その遮音性能を保証するものではありません」と記載しています。

床スラブが在来なのかボイドなのか?厚みはどのくらいか?外壁の構造はどうなっているのか?梁間のスパンはどのくらいか?などでおおよその見当はつきます。

本当ならば、売主さんは竣工前にしっかりと環境調査(階下への重量衝撃音デシベル調査)をして、“本物件はLH○○の遮音性能です”って謳わなければなりません。

車でも、メーカーは燃費とか馬力とかその車の性能をキチンと表示します。

購入者はそれを理解して納得して購入者は“買う”のです。

これに対しマンション購入者は、住まう人にとって重要な遮音性能があやふやなままで買わされているのです。

そして購入後に上階からの騒音に悩まされ、騒音トラブルに巻き込まれちゃいます。

とある新築物件で、竣工~引き渡しまでの間で環境調査するように促しましたが、「行いません」ってハッキリ断られました。