マンション管理士の独り言・・・190

「工期と現場監督・・・②」

前回に続いて、今回は「工期」についてつぶやきます。
一般的にマンションの工期は、1フロアー×1か月+3カ月と言われています。
仮に14階建てのマンションならば、14か月+3カ月で17カ月位が適正な工事期間だと言われています。コンクリートですから、一定の養生期間が必要になって来ます。
全ての売主がこれを守って充分な養生期間を確保して、適正な工事期間を確保しているかというと、そうでない場合もあるようです。その売主の売り上げ至上主義の部分が見え隠れしています。

マンションの場合、通常は引き渡しまでに、申し込み~契約締結(手付金支払い)~内覧会を経て引渡しとなりますが、売り上げ計上は引き渡し時となります。
仮にその売主の事業期間が、4月~翌年3末までだとすると年度結算の締めが3月となります。
ですから、売主とすれば何としても3月の引渡しにこだわります。
3月31日と4月1日とでは、暦の上ではたった1日の違いでしょうが、売主からすると天と地ほどの違いがあります。
適正な工事期間を確保したうえでの3月引渡しならば、何も文句をいうことはありませんが、明らかに引渡しを急いでいると思われる物件もちょくちょく目にします。
1月竣工で2月半ばくらいまでに内覧会が行われ、その2週間後の確認会を経て3月中旬くらいまでの引渡しなんていう余裕あるスケジュールならば、しっかりした工事期間が確保されていると思われます。
ところが、2月末に竣工し、3月初めに内覧会、1~2週間後に確認会、3月末ぎりぎりの引渡しなんていうスケジュールならば、適正な工事期間が確保されているか怪しいものです。
確認会を行わないなんて売主もあります。
引渡会は大体、土日を利用して行われますから、来年3月26・27日の引渡しの物件はいかにも3月末引渡しを急いでいる感じがします。要注意!!
適正な工期が確保されているか、またその売主の事業年度の締めを確認して、引渡しを急いでないかどうかをしっかり見る必要があります。