マンション管理士の独り言・・・213

「議決要件」

先日も不動産屋さんの集まりの席で、マンション管理について約30分お話をしました。一般の購入希望者とは異なりプロフェショナルの方にお話しするのですから、それなりに緊張したのですが、終わってみれば、絶賛!絶賛!ワーイ、ワイでした。
話が終わって質問タイムです。その中から、面白い質問を披露します。

全戸数14戸のこじんまりとしたマンションの1戸を投資目的で保有しています。
そして、14戸のうち11戸を1人の方が所有していて残り3戸をそれぞれ1人の方が所有しているとの事です。
このマンションで大規模修繕工事の話が持ち上がり、数の力から11戸を所有している方の意見で工事業者や工事金額が決まってしまったということで、“これって有効?”というご質問でした。

これは有効ではありません。
大規模修繕工事についての議決要件は過半数ですから、11/14の議決権を持っている方が賛成すれば可決となりそうですが・・・
実は議決要件については、議決権の他に区分所有者数の過半数というのも存在しているのです。
区分所有者数というのは分かりやすく言えば、区分所有者の頭数です。
このケースの場合では、区分所有者の頭数は4です。
この過半数ですから、4人のうち3人が賛成しなければ可決とならないことになります。
つまり議案の議決要件は、議決権数(この場合14戸だから14票)と区分所有者の数
(4人)のどちらについても過半数の賛成が必要となります。
これは、多くの住戸を所有している1人の思い通りにならないように、民主的な議決を区分所有法が期待しているからです。

ご存知でした?