マンション管理士の独り言・・・233

「内覧会同行と長期修繕計画」

一昨日の土曜日、大英産業さんが売主の「サンパーク中井Ⅱ」の内覧会同行へ行ってきました。
10時から開始し、約2時間かけて隅々までじっくり検査させていただきました。
施工精度の高い、充分合格点の仕上げでした。
その後、設備関係各社からの説明にも立ち会い、最後には管理会社からの説明にも立ち会いました。結局4時間くらいかかっちゃいました。

ここで、標題の長期修繕計画の提出がありました。

内覧会同行のご依頼を受けた時に、「弊社では内覧会同行のサービスとして重要事項説明書や管理規約、長期修繕計画の検証も行っていますから、それら書類をお送り下さい」とした時に、“長期修繕計画はもらっていない”、と言われ、お客様から催促して提出があった長期修繕計画らしきものがありましたが、これはただ単に10年後に○○○○円かかる、20年目には○○○○円かかるとしか記載されていないものでした。
長期修繕計画というより、工事予定表みたいなものです。
長期修繕計画は10年後に○○○○円かかるから、それを月々○○円積み立てていくことでまかないます、という積立計画がセットになっていなければなりません。
この積立計画が内覧会実施のこの日に始めて提出されたのです。ずいぶんノンビリしています。

そこには、現行㎡当り60円の修繕積立金が、5年後→80円に、10年後→100円に15年後→120円に値上げされた金額が提示されていました。
つぶやき主のようなマンションの専門家ならば、値上げされて当たり前、そもそも当初の60円が低すぎる、という認識ですが、お客様は始めて目の当たりにしたらしく、とても驚いて、また呆れていました。
この提示された積立計画も20年目には大幅な赤字になり、その時点で戸当たり40万円の負担となっていました。

この点を管理会社へ聞くと、“管理費を切り詰めます。不足分は借り入れする事も出来ます。古紙回収や携帯基地局となって稼ぎましょう”なんて支離滅裂な返事です。
要するに当初の60円を2倍の値上げでも全然足りない積立計画なのです。

そして、つぶやき主の方から、“修繕積立金の額が近い将来必ず値上げされます。2倍以上にはなるということを、このマンションを購入したすべての人に入居前の今から知らせておいて下さい。そうしないと、総会で積立金値上げの議題が提出されたときに、おおモメにモメル事になりますよ”とお願いをしておきました。

折角、良い仕上げで施工精度も高いマンションです。
見てくれだけでなく、今後住まう人が快適に住めるような、気配りがほしかったと残念でした。