マンション管理士の独り言・・・287

「マンションの戸数」

20戸程度の小規模のマンションと100戸超の大規模マンションとでは、それぞれどんな特徴があるのでしょう?
一般的に小規模マンションは、メリットとして
①高級そうなイメージがある、
②所有者が少人数なので比較的合意形成が図りやすい 
③こじんまりとしていて、家族的な雰囲気がある、
④総会招集や報告などが比較的楽に実施できる  などが考えられます。

反対にデメリットとしては、

①修繕費などに関して、戸当たりの負担が重くなる、
②役員の順番がすぐに回ってくる、
③マンション管理士を雇おうにも戸当たりの負担が重くなる  などが考えられます。

これに対し大規模マンションでは、メリットとして
①何を行うにもスケールメリットがあり、戸当たりの負担額が少なくて済む
②役員は1度やれば、次はかなり先となる 
③積立額や工事の際の発注額が高額になるため、それだけ業者に対して影響力や発言力が大きくなる
④戸当たりの負担が少ないので、マンション管理士を雇いやすい

デメリットとしては、
①戸数が多いため合意形成に手間ひまかかる場合が多い
②総会案内などで手間ひまかかる
③多くの所有者がいるので、一般的に合意形成が難しい  などではないでしょうか。

個人的には、大規模マンションのメリットのほうが大きいかな、と思っています。

小規模マンションの場合には、まず管理員さんはいません。
管理員さんの給料が仮に10万円とすれば、20戸では1戸あたり、5,000円の負担となりますが、100戸だと1,000円ですむ計算になります。
また、管理会社へ管理を委託しようとする場合でも同じような計算となり、戸当たりの負担額は20戸では100戸に比べて5倍となります。
管理会社へ管理委託すると戸当たりの負担が増える → 管理費の値上げとなるので、自主管理となります。
上手く行っているうちは良いのですが、段々高齢化が進んで役員の成り手が不足し、仕方ないから専門家を雇おうとして相談に来られますが、マンション管理士を雇うと管理費の値上げに結びついちゃいますので、その結果、総会での承認が得られない、という悪循環の管理組合も目にします。

マンションの適正戸数は、やはりスムーズにマンション管理士を雇える戸数でなきゃ、というのが結論です。

見方が偏り過ぎていますか???