マンション管理士の独り言・・・295

「パンフレットの見方・・・物件概要」

1月も半ばに差しかかり、新聞に折り込まれるマンションのチラシも増えてきました。
このチラシにはそのマンションの様々な情報が詰まっています。
学校区や利便性、駅やバス停からの距離、外観デザイン、設備、仕様、価格などが見てくれのいいように配置されています。
しかし、本当に大事なのは一番下の方にひっそりと小さな文字で記載されている物件情報です。ここの見方のポイントをさすが専門家という視点で教えてあげます。

①住戸面積 ○○㎡~○○㎡とそのマンションで1番小さな住戸の面積と1番大きな住戸の面積が記載されています。この面積差が2倍以上ある時は要注意です。面積差が2倍以上あり、管理規約で定められている議決権割合が同じく1票ずつならば違法とされる可能性があります。面積差が2倍ならば議決権割合も2倍なきゃ大きな住戸を買った方に不公平ですよね。

②間取り 3LDK・4LDKなんて記載があります。ここにワンルームなんかがあると要注意です。家族向け4LDKとワンルームとが混在するマンション管理組合で、合意形成を得るのはかなりの苦労が必要です。また、明らかに投資用の住戸(ワンルームや1LDK)が混在するマンションでは不在区分所有者が大量に発生するので、役員の成り手不足や管理費滞納などの問題が起きやすくなります。

③建築確認番号 平成○○年○○月○○日確認済みなどと記載されています。これはこのマンションを建設するにあたって主に建築基準法の諸々の規定をクリアしました、ということを表しています。この確認申請がおりていないと予約を含めて販売はできないことになっています。

④竣工予定 平成○○年○○月と記載されています。鉄筋コンクリートの場合、1フロアー1ヶ月強というのが一般的な建築工期です。したがって、例えば10階建のマンションならば10ヶ月+2~3カ月=約13カ月となります。いつ完成するのかは、この竣工予定年月日で確認できますが、いつ着工したのかは物件概要では明確にはわかりません。これは販売センターで営業マンに聞くことをお勧めします。まず間違いなく営業マンもわかりませんが、親身な営業マンならば現場に確認してくれるはずです。ここで優秀・親身な営業マンの見分けもできます。少なくとも前述の建築確認番号よりは後に着工していますので、建築確認が下りてから竣工までの時期があまりに短い時は要注意です。

⑤入居予定 平成○○年○○月と記載されています。売主にとってはここが1番重要なところです。売り上げ計上できるのは、この入居=引渡し時です。3月末が決算月の売主ではなんとしても3月中の引渡しを行う必要があるのです。竣工予定が3月で引渡しが3月なんていうのは要注意です。しっかりした工事期間が確保されてない可能性があります。
3月引渡ならば施工会社の社内検査~売主の竣工検査~内覧会~手直し~確認会などのスケジュールを確保するために1月末には竣工しておくのが望ましい工程です。
これからそこに住まうこととなる購入者より、自社の売り上げを優先している売主かどうかがわかります。

まだまだ物件概要の見方のポイントはありますが、代表的なものだけ教えてあげました。
さらに聞きたい方はお電話を。有償でっせ。