マンション管理士の独り言・・・338

「グランドキャッスル下到津VSグランドキャッスル三萩野」

どんな違いがあるのでしょう?皆さんわかりますか?
どちらも売主は東宝住宅さんです。戸数や価格帯、設計事務所なんてのが、異なりますが、こんな小学生でもわかるようなことではありません。

大きく違って、またこの違いは入居後の管理運営活動を大きく左右するものです。
賢明な方はもうお分かりでしょうが、駐車場に関して大きく違います。
GK下到津は、52戸という戸数に対して駐車場が41台。
不足分は売主さんでは用意していないようなので、購入者自ら駐車場を探さないといけないようです。
北九州では駐車場充足率100%というのは当たり前ですから、このように駐車場が不足するときは機械式駐車場を用意するのですが、便利がいい場所だからと割り切ったようです。

ちょっと斜めの見方をすれば、機械式駐車場を設置することによる工事価格の増加分を一戸当たりの価格に転嫁出来なかったのかも知れません。
下到津エリアは、マンション激戦地区ですから、価格に転嫁すると、分譲価格が上がりすぎて、競争力がなくなってしまうと考えたのかもしれません。
しかし、この駐車場は全区画管理組合との賃貸形式となっていますので、駐車場使用料は管理組合財産となります。
北九州以外の地域では、当たり前のことですが、北九州では全区画賃貸形式はなかなかお目にかかりません。

これに対して、GK三萩野は駐車場充足率100%です。
一見すると、こちらの方が良いような気がしますが、・・・内容に問題ありです。
分譲駐車場が4台分あり、当然ながらその分の駐車場使用料は管理組合へは入って来ません。
さらに敷地外駐車場が23台あります。
この23台は敷地外ですから、その使用料は敷地オーナーへ入ることになり管理組合へは入ってきません。
分譲駐車場と合わせて27台分の駐車場使用料が管理組合へ入ってこないこととなります。仮に1台8000円として月に216,000円、年2,592,000円、第1回目の大規模修繕工事を15年後に実施するとしてその時には38,880,000円のお金をフイにしているようなものです。
また、GK三萩野は、22台分の機械式駐車場もあります。このメンテナンス費用がざっと見積もって年22万円、20年後に取り替え費用が3000万円超の費用がかかりそうです。
さらに、敷地外駐車場は未来永劫使用できるのか?敷地外駐車場は個人契約となるのか、管理組合が一括して借り上げてくれるのか?当初敷地外となった人は、ずっと敷地内にはなれないのか?などを確認する必要もありそうです。

で、買うならどっち?って言われたって、そんなの自分で決めてください。