マンション管理士の独り言・・・350

「管理人さんも大変」

少し前の話になりますが、N管理会社が管理している、八幡西区のKマンションで悲惨な事故が起きました。
植樹の剪定を行っていた管理員さんが脚立から転落して、下半身不随になるという痛ましい事故です。
親会社は労働災害ゼロを何としても死守したい体質ですから、この事故が表立って公表されることはなく、もう関係者との間で話もついていることでしょう。

以前にもこのN管理会社は、14階建てのVマンションで屋上の排水口の枯葉の除去作業を命綱をつけて管理員さんに行わせていましたので、“危ないことをやらせちゃいかん”と注意したことがありましたが、今はその作業はもう行わせていないことを祈ります。

上記は極端な例ですが、管理員さんは見た目よりもハードな仕事です。
今のマンションは天井が高くなっていますので、それに応じて廊下も高くなり、照明器具の交換も大変です。
14階での取り換え作業なんて、想像しただけでも足がすくみます。
また、管理員さんを雇える管理組合は最低でも50戸以上が必要ですから、その分住んでいる人の数も増えます。
いろんな方がいます。
管理人さんが、マンション内の掃除をこまめに行います。
すると、「用事があるのにいつも管理人室を空けている。」
入居者とコミュニケーションを取ろうと、話し相手になっていると、「管理人さんはいつも無駄話ばかりしている」なんて調子です
。面と向かって注意されるならまだいいのですが、会社の方にクレームとして寄せられます。そして上司から注意。とてもメゲチャイます。

こんなこともありました。
ゴミだしは朝7時から9時までと決められていましたが、入居者で早朝出勤の方が管理員さんに、「どうしてもその時間にはゴミだしができないので、ゴミを出してもらえませんか?」とのお願いです。管理員さんはこれも業務の一つだと考え、善意で代わってゴミだしをやってあげました。
ところが、別の入居者から、「私も早朝出勤だから、私のもお願い」と言われました。
断れなくなって、ゴミ出し要求が段々増えてきて、とうとう全員のご見出しをお断りするはめになりました。

やりすぎると良くないし、やらなければやってないと注意されるし・・・。
このあたりのバランスがとても難しいのです。
「気の抜けないサラリーマン生活が終わったら、のんびりと管理人さんでもやろう」なんていうのを聞きますが、とんでもない話です。
管理人さんというのは、気が抜けない、ストレスの溜まる、大変なお仕事なのです。

これに加えて危険な仕事をさせちゃいけませんね。