マンション管理士の独り言・・・392

「契約事務手数料???」

つぶやき主は、いろんな売主さんの重要書類を持っています。
管理規約や使用細則、長期修繕計画はもちろんのこと、重要事項説明書や売買契約書も持っています。
管理規約や使用細則については、平置き駐車場か機械式駐車場なのか、或いは、住居専用なのか店舗併用なのかによって、それぞれのマンションで当然ながら異なってきます。
しかし、重要事項説明書や売買契約書についてはどこまで細かく記載するかのよって多少の違いはあるものの、大筋はそんなに異なりません。

そんな中、売主さんや販売会社さんによって大きく異なるものがあります。
「契約事務手数料」「引き渡し事務手数料」とかいう名目で、購入者から売買代金とは別途徴収する業者さんと徴収しない業者さんとがあります。
多くは52,500円です。

仮に購入者が現金のみで支払う場合と、ローンを利用する場合とでは営業マンの大変さは異なってきます。
ローン利用の場合は、銀行との打ち合わせや事前審査、本審査、金消手続きなどや、それらに伴う書類作成などで現金客に比べ引き渡しまでの手間ひまは大きく異なってきます。ですから、売主や販売会社経由でローン利用する場合には52,500円程度の事務手数料が発生するのはそれなりに合理性があると思います。

しかし、現金で購入する客や自分でローンの手当てをする客に対しても、「契約事務手数料」「引き渡し手数料」などの名目で費用を徴収するのは合理性がないというか、個人的には“アクドイ”と感じています。
このような売主には内覧会で同行する際に、“こんな訳のわかんないお金を取らないで”と言っていますが相変わらず改善されていないようです。
そんな中、1社だけこの正当な要望を聞いてくれた販売会社さんがありました。
オークラ城内公園通りの販売を行っていた、ネオパートナーさんだけは、「うちはお客様がご自分でローンを組まれたのに対して、事務手数料はいただきません。」と言ってあっさりと受け入れてくれました。
しかもその後の言葉がフルっています。
「うちはそんなアコギな会社じゃありません。」でした。
素晴らしい姿勢です。ひげ面の営業マンでしたが思わず頬ずりしたくなっちゃいました。

そもそも販売して、重説して、契約して、引き渡すのが販売会社の仕事で、現にそれらのことを売主から委任されて、その報酬として売主から販売委託料をもらっているのに、何で買主からも徴収するのか全く理解できません。
徴収できる唯一の法律的根拠は、売買契約書や重要事項説明書に“買主は事務手数料52,500円を支払う”と記載されているということだけです。
「書面に記載しているし買主も合意したじゃん。有効でしょ。」といわれれば残念ながら有効です。

そこで買主は「契約事務手数料」「引き渡し手数料」というものは、徴収していない業者も存在し、商慣習でもなく、ましてや宅建業法で定められたものでもなく、当事者の合意のみが唯一の拠り所ということを理解して、「うちは自分でローン組んだし、営業マンに迷惑かけてないじゃん。誰にも言わないから契約事務手数料は、取らないでよ」と言うだけ言ってみたらどうかな・・・と。

つぶやき主はこんなお金は払いません。もっともつぶやき主には売ってくれないでしょうし、そもそも買えません。・・・レ・ミゼラブル・・・。