マンション管理士の独り言・・・424

「上手な議案書・・・理事会一任」

先週土曜に総会、日曜も総会、火曜に理事会がありました。
そしてまだまだ金曜に総会、と理事会総会が続きます。
中でも日曜の総会は4時間を超すロングランとなり、ちょっぴり疲れました。
4時間と聞くと大荒れの総会をイメージするのでしょうが、つぶやき主がお世話しているマンションで、しかも議事進行役もつぶやき主です、そんなわけありません。
単純に審議すべき議案が多いのです。議案書だけで20ページを超しています。
どっかの総会みたいに、①事業報告と決算報告 ②監査報告 ③本年度事業計画および予算 ④本年度役員について、程度の議案しかなく30分でシャンシャン終了、何てことはありません。
折角1年に1度組合員が顔を合わせる機会です。
多くの事を話しあう、有意義な総会になっています。

反対に年に1度の貴重な機会ですから、議案書にも工夫を凝らしています。
何度も集まってもらわなくていいように、理事会に多くのことを任せてもらいます。
ご存じのように理事会には決定権はありません。
理事会は予算(案)を作成したり、議案を作成したりと(案)作成までの権限しか与えられていません。
そして理事会が作成した(案)を総会で審議し承認された後に初めて予算(案)が予算として執行される、ということになります。
しかし、組合員の方もお仕事があり、そう何度も集まれるわけじゃありませんから、総会で審議すべき前段階の(案)作成までについては理事会に一任してよ、と総会で承認を得ておくことが重要です。
皆さんの管理規約にも理事会の役目として各種(案)の作成のほかに、「その他総会で付託された事項」については理事会で決めることができると記載されているはずです。

例えば、排水管洗浄について、総会時に○○業者へ○○の金額で発注してよろしいでしょうか?という議案の出し方もありますが、通常は業者までは決定せず、事業計画に○月に排水管洗浄を行うとし、予算(案)にも大体の数字を算入しておく、という方法をとります。
総会前に数社から見積もりを取り、業者を決定して総会で承認を得るというまでのことは行ってない場合がほとんどです。
そこで、総会時には「本年○月に排水管洗浄を実施しますが、業者決定については理事会に一任ください」として業者決定まで理事会に一任してもらうようにしておくのです。
この一任がないと、基本的には臨時総会を開催して「○○業者へ○○の金額で発注してよろしいか」という決議を得なければならないこととなります。

仮に、どこのマンションにもいる一言居士の組合員さんから後で、“何で○○業者へ発注したんだ。△△業者の方が安くできたのに”なんて言われても“総会で業者決定については理事会に一任するという承認を得ている”と胸を張って言えます。
勿論、重要な議案は何度も臨時総会を開催して組合員の承認を得なければなりませんが、比較的重要ではないと思われる決定については理事会一任を取り付ければその後の、管理組合活動がスムーズに流れます。

ですから、議案書には「○○を実施することについて、その業者決定や詳細については理事会一任とする」と記載した議案の提出となります。