マンション管理士の独り言・・・450

「瑕疵担保責任・・・民法と品確法と瑕疵履行法の関係、おまけに宅建業法」

つぶやき主レベルでの簡単な法律のお話。法律と言ってもマンションに関してです。
「瑕疵」という言葉はご存じですか?
「瑕疵」というのは引き渡し当時は売主も買主も完璧なものとして引き渡された目的物に隠れたキズなどがあって購入した目的を達成できないなんてことを指します。このようなことは実際の商取引ではたまにあることなので、民法では「瑕疵担保責任」としてわざわざページをさいて規定しています。
この場合の責任は当然売主にあるものとして、買主がそのことを知ってから1年間以内ならば損害賠償などを請求できるとしています。
この場合、売主は、目的物の瑕疵に全く責任なくても買主保護の立場から、責任を負うとされ、「無過失責任」とされます。
民法での大原則は、「過失責任主義」とされ、何にも悪いことしてない人に責任負わせないよ、とするものですが、この瑕疵担保責任については売主に「無過失責任」を負わせていて、「過失責任主義」という大原則の例外という扱いです。

これに対してマンション購入時に締結する売買契約書には、瑕疵担保責任について「知ってから一年間が責任期間」という民法の扱いとは異なり、「引き渡し後2年間が責任期間」となっています。
売主が不動産業者の場合には、宅地建物取引業法(通称:宅建業法)というのが適用され、ここでは瑕疵担保責任期間について民法とは異なった定めとなっています。
民法と宅建業法とがガチンコしたときにどっちが優先されるかというと、民法は宅建業法に対して一般法となり、宅建業法が特別法という扱いになり宅建業法が優先されます。

しかし、マンションなど住居は何十年も住まうことになるのに、“引き渡し後たった2年間が瑕疵担保責任期間じゃ短くね~”という意見があったはずで、そこで住宅の品質確保の促進に関する法律(通称:品確法)というのが制定されました。
施行は平成12年4月からです。
この品確法は売主不動産業者の瑕疵担保責任期間を10年間に延長しました。延長された部位は、「構造上主要な部分」と「雨水の侵入を妨げる部分」です。
もうちょっと詳しく見ると、「構造上主要な部分」とは、基礎・柱・梁・床・壁などで、「雨水の侵入を妨げる部分」は、屋根・外壁・開口部に設ける戸・外部貫通雨水排水管などと定められています。
そして、まだまだ住宅瑕疵担保履行法へと続きますが・・・
息切れ・・・。また次回に