マンション管理士の独り言・・・469

「見えない部分なので、手の施しようがない → 現場監督さんしっかりしてよ」

北九州市内のマンションの施工は、80%が福屋建設です。
福屋建設さんが手がけたマンションの施工精度はどれも一緒かというと、必ずしもそうとは限りません。
社内基準はあるのでしょうが、施工精度の素晴らしいマンションもあれば、もうちょっと何とかならなかったの、なんて思えるマンションがあったりします。
工期や職人さんの質は勿論あるのでしょうが、なんといっても最終的には監督さんの技量です。
簡単には妥協を許さないような監督さんのマンションは施工精度も高いと言えます。
特に配管やコンクリートかぶり厚なんかは、完成後は施工状態何て全くわかりません。
このような目に見えない部分にこそ細心の注意を払って工事を行ってもらいたいものです。

お世話しているマンションで雨水排水が上手くいかず、ゲリラ豪雨の時は逆流して開放廊下やエントランスが水浸しになる状態が続きました。
ひょっとしたら雨水管が途中で脱管しているのではとファイバースコープを入れて調査しましたが、雨水管ではありませんが雑排水管が1か所脱管していました。
その場所は植込みの真下なので、配管後に植栽工事を行った際に重機で点圧したことで重い荷重がかかり、脱管したとしか考えられません。
つまり竣工当初から脱管していたと考えられます。
永い間に垂れ流された雑排水が土中に浸み込み、ある日突然陥没なんてしたら、大事故にもつながりかねません。

雨水管については、信じられないことがありました。
約1メートル間の桝をつなぎ込むのに直接勾配を取って真っ直ぐにつなげばいいものを、4カ所も角度をつけてつなぎ込んでいました。
1メートル間ですから竣工図には、真っ直ぐにつなぎ込まれているように記載されていますが、実際はカクカクカクカク、と折り曲げて配管しています。
4カ所もカクカクしているので抵抗が大きく、雨水の流れを妨げているのは言うまでもありません。

何故、こんな施工をしたのかは不明ですが、おそらく掘りにくかったとか材料が足りなかったとか、あまり土を堀込まなくていいようにしたい、とか現場の職人さんが考えたからだと思われます。
このような手抜きが行われないように監督するのが現場責任者である監督さんのお仕事です。
出来上がったマンションで土中の配管なんか内覧会で調査しようがありません。
イイも悪いも監督さんにかかっています。
しっかりした仕事をお願いします。