マンション管理士の独り言・・・527

「受験生」

つぶやき主の事務所には、いろんな方が来られます。
管理会社の人や、ゼネコンさん、デべロッパーさん、管理組合役員や“○○さん、キャッチボールをしよう”っていう人だって来ます。

最近は、マンション管理士を目指して勉強している人が来るようになりました。
“管理士試験に合格してからだろ”って思いますが、税理士や司法書士など他の士業に比べ何をやっているのか、どんな仕事内容なのか、要するに合格しても食えるのか?を聞きに来られます。
仕方ないかもです。市内でマンション管理士を独立開業してやっている人なんてつぶやき主くらいなものです。

「喰えますか?」という問いかけに対し、つぶやき主の答えはこうです。
「今は喰えません。つぶやき主も日頃の業務の80%はマンション管理士の仕事、20%は不動産の仕事ですが、売り上げはその反対で管理士20%、不動産業80%です。
でも将来は喰えそうです。顧問や、雇われ理事長の需要は今後ますます確実に増えてきます。しかしその時喰えていくのは経験のある管理士だけです。試験に受かっただけのペーパー管理士には仕事は回ってこないような気がします。」です。

マンション管理士ほど実務経験が必要な職業はないのではないでしょうか。
浅い経験だと百戦錬磨の理事長さんや管理会社フロントマンにすぐに実力を見透かされちゃいます。
マンション管理士というのがかえってアダになっちゃって「マンション管理士のくせにこんなことも知らないの」ってやり込められちゃいます。
その上、マンション管理士ほど実務経験を積むのが難しい職業もないと思われます。
総会や理事会に出たことない管理士は沢山いますし、議案書や議事録を作成した事のない管理士も数多です。

そのような実務経験を積むには、市内ではつぶやき主が代表を務める北九州マンション管理支援機構しかないでしょう。
「試験に合格したら、入会してね。一緒に盛り上げましょう」です。

しかし考えようによれば、マンション管理士の活動のフィールドは無限大です。
税理士や司法書士などの他の士業ではその仕事内容はおおよそ一定しています。
それぞれで得意分野はあるでしょうが、“税理士さんってこんな仕事なのね”、“司法書士さんは登記を行う仕事でしょう”て感じで多くの方がその仕事内容を知っています。

マンション管理士は、この点定まっていないが故にいろんな事が出来ちゃいます。
自分たちの発想や努力で仕事の可能性を広げていける職業だと思います。
例えば、PTAや町内会のお世話。
PTAや町内会でもその業務の内容は詰まるところ合意形成です。
会の意思決定のために開催される総会で承認を得る、つまり合意形成のために広報活動を行ったり、総会議案書の作成、総会の進行、議事録作成など管理組合さんの業務そのものです。さらにその会にあった規約作成何てお手の物です。
マンション管理士として培ったノウハウが活かせます。

合意形成について日頃汗水たらしているマンション管理士は稀有な存在です。
この際、PTA役員でも何でもやります。
「今は喰えません。でも将来は喰えるようになるでしょう」という言葉が虚しく胸を吹き抜けます。