マンション管理士の独り言・・・550

「商業地域」

お世話しているマンションではつぶやき主が管理組合顧問とともに町内会長代行もやっています。
このマンションに隣接するスピナガーデン大手町の営業開始時間が現在の9:00から7:00へ早まるというので、地元説明会へ参加してきました。
説明側はスピナ大手町店長さんや西鉄さんなど総勢6名。参加者はつぶやき主を含めたったの3名。
そして、西鉄さんより「北九州市の産業経済局商業振興課へ営業開始時間の変更を届け出たので、大規模小売店法によりこのような地元説明会を実施しなければならないが、今すぐに営業開始時間を変更するわけではありません、」との説明がありました。
続いて店長さんが、「従業員の勤務手配もあるし、採算効率もあるので当面は今まで通りの営業開始時間です」との説明です。

“何だべ、総会時期の忙しい5月の夕刻にわざわざ時間を割いて参加したのに。営業開始時間が早まればそれに伴って荷卸しの時間や商品搬入時間が早まるだろうから、しっかり聞いて注意してもらうべきところは言っておかなきゃ、だけど、今まで通りだって。”

でもしっかり勉強してきました。このエリアは都市計画上の商業地域です。
このエリアは、建蔽率80%、容積率も400%。
住居系エリアの2倍の容積率です。
また外壁後退距離や高さの制限、北側斜線制限もありません。
さらに道路斜線制限もかなり緩やかですし、日影規制などもありません。
つまり敷地を目いっぱい有効に利用しましょうと言う地域ですから、大きな建物が隣の建物に近接して建てられるエリアです。

それ以外にも騒音レベルも住居系エリアに比べて緩やかな基準になっています。
昼間(6時~22時)が60DBです。住居系は55DBです。
夜間(22時~6時)では住居系が45DBなのに対し商業系では50DBとなっています。つまり商業系では住居系に比べて概ね“10%程度うるさい音でも構わないよ”ってことです。

さらに北九州市中高層建築物等の建築に関する指導要綱によれば、住居系では建てようとする建築物の高さが10Mを超えれば近隣住民への説明会開催が義務付けられていますが、商業系では建築物の高さが15Mを超える場合とかなり要件が緩和されています。

商業系に建つマンションを購入した方、若しくはこれから購入しようとする方は、商業系だけに便利はいいのですが、隣地に大きな建物が目いっぱい建てられる可能性があり、しかも騒音環境はあまり良くはないですよ、ということを分かんなきゃ、というつぶやきでした。

大手町のとあるマンションの南面が塞がれるように新築マンションが建築される予定があります。住民からは大きなクレームがあがることは間違いありません。
こんな時に就任する理事長さんは大変だろうな、って思います。
もしつぶやき主を探し当てられれば少しはお役にたてるかも、です。