マンション管理士の独り言・・・603

「駐車場使用料」

最近分譲のマンションでは、駐車場使用料を管理費に組み入れているところが多いようです。
これはあまりいただけない。
駐車場使用料は、管理費でなくて修繕積立金として積み立てるべきものです。
同じように見えますが大いに異なります。
管理費と言うのは、管理会社への管理委託料とか、管理人さんの給与、廊下階段などの照明代金、エレベーターの保守メンテナンス費用、共用部分の清掃費用などに使われるもので、毎月一定額入金されますが、それに見合った額が消費されていきます。
要するに日々のマンションの維持管理に使われるものですから、貯まっていかないのです。

これに対して修繕積立金と言うのは、大体10~15年毎に実施される大規模修繕工事のために積み立てられていくものです。
解約するのにも総会の決議が必要とされますので、毎月一定額が着実に積み立てられていきます。
国交省でも、駐車場使用料などは駐車場の白線引きなどそのもののメンテナンスに要するものに使用して余ったものは修繕積立金へ充当しましょう、としています。
ですが、“充当しましょう”なので充当しなくても法律違反じゃないし、管理費へ回している管理組合さんが沢山あります。

管理費として消費して余りあれば総会の決議で、積立金へ充当しているという管理組合さんはまだ救いがありますが、余剰が全く出なくて修繕積立金へは一円も入金されないってとこもかなりあります。
このような管理組合さんは大規模修繕工事時にはその工事代金捻出で頭を悩ますことでしょう。
第1回目は、分譲当初に支払った修繕積立基金があるから、何とか乗り切れるでしょうが、2回目には間違いなく資金ショートします。
一時金を徴収するというような乱暴な方法でなく、毎月の積立金でまかなえるように値上げを盛り込んだしっかりした長期修繕計画を立案しなきゃ、です。

駐車場使用料というのは、管理組合の健全な収支のためには大きなウェイトを占めます。
全区画平面平置き、というマンションはランドプランから見るとちょっと殺風景な感じを受けますが、でも駐車場の維持メンテナンスはかからないし、何より停めやすいし、管理組合の健全な収支に寄与してくれます。
機械式駐車場の場合は、それ自身のメンテナンスに費用がたっぷりかかりますので、その収入はあまり期待できません。

マンションを購入するかどうかの判断のモノサシとして、維持メンテナンスにあまりお金がかからなくて、健全な収支が見込める、というのも重要なことです。

築後数年経った管理組合に町内会を設立しようと奮闘しています。前回は、日曜日にわざわざ説明会を開催したのに、参加者不足でドボンです。
“しばらくの間はつぶやき主が町内会長代行をしてあげますよ、参加者にそんなに負担はないですよ”ってまでしていたのに、ザ・ン・ネ・ン

次は八幡西区の管理組合さんに町内会を設立してほしいとのご依頼です。
ホントに参加する人いるの?って感じですが、マンションも地域コミュニティとの連携が必要です。
及ばずながら力をお貸ししましょう。

でもマンション管理士の仕事じゃないよな。