マンション管理士の独り言・・・616

「管理規約の重要性」

今更ながらですが、マンションライフにおいて管理規約というものはとても重要なものです。
マンション購入前に営業マンから説明される重要事項説明書や売買契約書などの重要書類と比べても、管理規約がダントツで1番重要なものです。

だけど悲しいかなこれを説明できる営業マンにお目にかかったことがありません。
上っ面だけは何とか説明できるのですが、“標準管理規約や他の売主さんの管理規約とどこがどう違うんですよ。自社の管理規約の特徴はこうですよ”なんて説明できる営業マンはいません。

購入希望者へ営業マンが説明するのは、環境や学校区、売主の信頼性、建物設備の優位性、インテリアやオプション、ローン支払い方法などです。
これら一つ一つはとても重要な事ですが、住まう上でマンションライフのバイブルとなる管理規約はもっと大事なものです。
買う側も管理規約の重要性がわかっていないようで、「総会で決議すればいいじゃん」と言いますが、総会の決議より管理規約が優先されますので、管理規約の内容に反する総会の決議何て、「はなから無効」です。
「現実とそぐわない内容ならば管理規約の変更をすればいいじゃん」なんてことを営業マンさえ簡単に言いますが、規約の変更はそう簡単にできるものじゃありません。
規約の変更は特別決議とされ区分所有者総数の4分の3以上の賛成が必要です。
しかもこの規定は強行規定なので4分の3と言う要件を5分の4に上げることも、反対に3分の2に下げることのどちらも無効です。4分の3という数字はいじっちゃいけないのです。

5年に1度実施されるマンション総合調査平成25年度版では、総会への出席数は、実出席+委任状提出者+書面による議決権行使者=79,4%です。
総会への出席者のほとんど全てが賛成して初めて管理規約の変更が可能なのです。
多くの総会へ参加してきたつぶやき主の印象では、北九州では総会参加者は60~70%程度です。
総会への参加率はマンションの規模が大きくなるほど、築年数が古くなるほど下がる傾向にあります。
全く現実にソグワナイ規約を良く見かけますが、「4分の3以上の賛成何て無理!総会への出席者でさえ4分の3に届かない」というのが管理の実態です。
マンションを購入しようと思う方は、管理規約の内容をよく理解しましょう。
環境や設備などのハード面ばかりに気を取られちゃいけません。
また、管理規約を改正しようと考えている理事の方は、1年でも早いうちに総会へ議案として上程しましょう。年月が過ぎれば過ぎるほど規約改正は難しくなります。

“管理規約何て読み込めない”という購入予定者や、“改正しようと思うけど、どういう内容にしたらいいのか、どのような手順でするべきかわかんない”と言う方はつぶやき主へご相談ください。

内覧会への同行依頼が増えています。通常の料金以外に「金麦」ご持参の方が多く恐縮しています。
つぶやき主の内覧会同行は、管理規約や長期修繕計画のご説明を差し上げています。
内覧会より事前に事務所へお越しいただき1時間半くらいかけてご説明します。
ご説明を受けられた方は、決まって「購入する前に聞いておけばよかった」「でも入居前に聞いてて良かった」とおっしゃいます。
おそらく一生で一度きりの一番高い買い物です。
出し惜しみしませんよ。いい仕事しまっせ。