マンション管理士の独り言・・・627

「共用部保険」

分譲マンションの場合、専有部分の保険はその住戸の区分所有者が付保しますが、共用部分は管理組合で付保することとなります。
「付保することとなります」が、付保していない管理組合さんもあったりしますから、特に中古マンションを購入しようとする方は、付保しているのかどうかをキチンと調べなきゃなりません。

共用部の保険付保について最近は保険会社さんそう簡単には引き受けてくれません。
築20年を超えて新規に加入しようとしても多くの保険会社さんにご丁重に断られちゃいます。
築20年を超えても引き受けてくれるのは、つぶやき主が知る限り損保ジャパンさんだけです。それ以外の保険会社さんは築20年がリミットです。
以前のように保険会社さん数社を集めてプレゼンテーションさせて、そのなかから選り取り見取りで決めるなんてことは出来ません。
何故こんなになったのかについては、簡単な答えです。
保険事故が多く、保険金を支払ってばかりで得られる保険料に見合わないからです。

三井住友保険さんのデータでは、マンション共用部分で得られた保険料は524000万円に対して、支払われた保険金は440304万円となっています。
損害率は84%に上ります。
これを築年数ごとに見てみると、築10年未満のものは損害率は52,2%ですが、築10年~15年になると75,5%へ跳ね上がり、築20年を超えちゃうと122,7%になります。
これは得られた保険料の1,2倍もの保険料が支払われたことを意味します。
これじゃ、やってられませんね。

2年前にも大幅な保険料の見直し(=増額)が行われましたが、今年の10月頃にも再度大幅な見直しがあるというのが確かな情報です。
もし保険が満期になって新規に加入を検討している管理組合さんがあれば、最長5年物がお勧めですね。

また、保険会社によって微妙に内容が違います。
漏水原因調査特約が年間500万円が限度というものや、1件につき100万円という内容のものがあったりしますし、免責金額は大きく異なりますから、その管理組合に合った保険商品を選ばなくてはなりません。

一昨日は福岡で5時間の講習を行い、その足で八幡西区の理事会参加。昨日も福岡で5時間の講習を行い、その後海を渡って下関で理事会。
5時間しゃべりまくった後に長距離の運転、しかも2日続けてですから流石に疲れました。
今晩も明晩も理事会出席です。
この時期、総会へ向けての議案書内容の詰めがありますから仕方ないのですが・・・。

土日の内覧会同行を皮切りに、今週末から3月末にかけて内覧会同行がギュウギュウ詰めです。キチンとした工事が行われていることを期待します。