マンション管理士の独り言・・・666

「どっちを買う?」

立地とか環境とか構造設備なんていうのを全く抜きにしてつぶやき主ならどっちを買う?って聞かれればのお話。

「20戸のマンションと200戸のマンションのどっちを買う?」
って聞かれれば、間違いなく200戸のマンションを選びます。
20戸のマンションなら維持管理にかかる戸当たり費用が間違いなく高くつきます。
“少ない戸数なら意見がまとまりやすいし、変な人もいない”なんていいますが、そんなことは幻想です。20戸でも200戸でも変な人はいます。
変な人っていうのは、つぶやき主みたいな変な性癖持ってるっていう意味ではなく、管理組合のどのような活動にも批判的な目で見て賛成しない人のことを指します。
また“戸数が少ない方が高級マンション”って思ってる方もたまに見かけますが、これも幻想。20戸ならば管理人さんさえ雇えません。

「80戸のマンションで1基のエレベーターと2基のエレベーターのマンションならどっちを買う?」
これも間違いなく1基のほうを買います。
フルメンテナンスで月額約60,000円の維持管理費、さらに約25年後のリニューアル時には1基700万円の費用がかかります。
このエレベーターが2基もあるなんて5年ごとに修繕積立金が値上げされちゃいますし、その額を考えたらゾッとします。
少々エレベーターの待ち時間があったって我慢しちゃいます。

「修繕積立基金が月々の修繕積立金の48倍と100倍ではどっちを買う?」
これも間違いなく100か月を選びます。
修繕積立基金というのは売主さんもポケットに入るわけでもなく、将来のマンションの大規模修繕工事のために積み立てられるものですから、“多い”に越したことはありません。月々の修繕積立金だって同じです。戸当たり4000円程度のものは買いません。
10年後には3倍くらいに値上がりするのがわかっているからです。

「駐車料金タダと有料のマンションならどっちを買う?」
駐車料タダなんて間違っても買いません。
駐車料金というのは多くの場合、修繕積立金へ充当され将来の大規模修繕工事のために備えられるものです。
パッと見、駐車料金タダっていうのは良さげに見えますが、その分修繕積立金が入ってきませんので大規模修繕工事時には費用不足になりかねず、一時金の負担だってありそうです。“それなら将来有料化したらいいじゃん”って言われそうですが、分譲当初に売主さんがタダって言って売ったものをたとえ少額でも有料化にすることの大変さをわかっていない素人の発想です。
議案化するのさえ難しく、総会での承認を得るのには大変なエネルギーが費やされます。

「充実した共用部分のあるマンションとそうでないマンションでは、どっちを買う?」
これも余計な共用部分のあるマンションは買いません。マンションの共用部分で必要なのは、集会室と管理組合用ポストだけです。
ビジタールームとかチャイルドルームとかは勿論、子供の遊び場だって、ベンチだって必要ありません。大規模修繕工事時にはベンチの取り扱いで頭をひねります。
“誰も使っているとこ見たことない”っていっても廃止するには総会の決議などの手続きが必要になります。

まだまだ、「自社販売or販売代理会社」「将来専有部分の譲渡・貸与時に駐車区画が引き継げるor引き継げない」「南面ワイドスパンor7m程度のスパン」「奥行たっぷりのバルコニーor2m程度のバルコニー」「売主関連の管理会社or独立系管理会社」なんてまだまだ沢山ありそれぞれに答えを持っていますが、これらはまた後日。