マンション管理士の独り言・・・667

「獅子身中の虫」

お世話している管理組合さんで役員さんのお一人が挙動不審です。
管理規約改正とか駐車場使用ルールについて検討しているときは積極的に前向きな意見を出されて助かっているのですが、矛先が売主に向かうと豹変してつぶやき主や理事会の進め方にクレームをつけ始めます。
当初のころは気づかなかったのですが、その濃淡があまりに激しいので“何でかな?”っていぶかっていました。
その理由がわかりました。要するに売主さんの味方なのです。
売主さんの不利になるようなことをつぶやき主が発言したり、理事会で進めていこうとするとMr.NO!に変身するのです。

このマンションは竣工して完売するまでにかなりに時間が費やされました。
このように竣工して売れていないマンション(在庫マンション)を売るために売主がよくとる方法の一つが、売主関係者やそのマンションの建築に携わった業者へ買ってもらうのです。当然それなりの値引きはしますが、それよりも在庫処分で現金化です。

売主に「1戸買ってよ」って言われて、取引上断れずしぶしぶそのマンションを購入した人であっても、立派な区分所有者ですから理事にだってなります。
理事として管理組合活動に参加し、規約改正とかでは前向きな意見も発しますが、いざ矛先が売主に向かう、売主に害が及びそう、となると途端にMr.NO!に変身します。
はっきりと売主サイダーだと判明すれば他の理事さんたちへの手の打ちようもありますがそんなの分かりっこありません。
理事さんの年齢すらわかんないのに職業なんてわかりようがありません。

「在庫マンション」があると、在庫期間中の管理費や修繕積立金の負担を売主が行うのかどうか?や設立総会開催時期、役員選任方法、駐車場使用方法など管理組合の活動に支障をきたす場合が多いのですが、売主さんの息がかかった組合員が増える傾向にあるというのも事実のようです。

長雨が続いてなかなか大規模修繕工事が捗りません。
外壁補修やシーリング工事、何より塗装工事がストップしてしまいます。その間足場や養生シートは掛ったままですので、その損料だってバカになりません。請け負った業者さんは頭の痛いところです。ご入居者がエアコンを本格的に使いだす盆前までに工事を完了させたいと考えていたのですが、なかなか思い通りに運べません。