マンション管理士の独り言・・・669

「手直し工事」

つぶやき主が関与した工事で不良個所があり、その手直し工事にために段取りや組合員の合意形成、さらには臨時総会を開催しなくちゃならないって時は、多少なりともつぶやき主に不手際があったわけだし、言うなれば自業自得なので、やらなきゃです。
それが、つぶやき主は工事には関与しておらず、ただ完成したものを検査し不良個所を指摘しただけなのに、それ以降の段取りや合意形成、臨時総会の手配までやらなきゃ、ってマンションが複数あります。
要するにいい加減な工事をつぶやき主に指摘され、その手直しのために臨時総会まで開催しなきゃならないってことです。

もう完成してしまって生活が開始されていますので、入居者への迷惑や生活上の不便さを最小限に抑えるようにしなければなりません。
臨時総会が必要ってことは組合員の承認が必要ってことだから、その手直し方法でいいのか?躯体部分が現況と変化しちゃう、などが含まれるってことです。

手直しする方も大変です。
入居者がいる環境での工事になりますので騒音や粉塵に気を使っての工事となりますし、養生だって大変です。
勿論費用だってばかになりません。
誰がその費用を負担するのかで、水面下でバトルが繰り広げられます。

管理組合からすれば、法律的に関係があるのは売主だけです。
購入者はあくまでその売主から購入したのであって、施工建設会社に施工を依頼したわけではありません。その施工建設会社へ工事を依頼したのは、売主です。
施工した建設会社と管理組合とは直接的な法律関係はありません。

ですから管理組合は売主に手直しを要請するわけですが、売主は施工建設会社へ不良な工事とするよう依頼したわけでもありませんから、管理組合の申し出は受けるには受けますが、施工建設会社さんに丸投げになっちゃいます。
施工建設会社も、大工工事は○○工務店、左官は△△左官、電気関係は□□電設って下請け、さらには孫請けまでと行き着き、その間で責任の所在が曖昧になってしまうことが多いようです。
さらに設計事務所にも責任の一端が生じてきます。“そもそもこんな設計する方が悪い、工事監理なんて出来てないじゃん”です。

手直し工事は通常工事の3倍の手間、費用がかかるといわれます。
何故最初から手直しにならないような工事をしないのか理解に苦しみます。
共用部分だからわかんないと思ってるのかしら。

瑕疵担保期間中の2年での共用部検査、大規模修繕工事前の劣化診断、大規模修繕工事コンサルタントなどのご依頼があるたびに、首をひねるような施工や瑕疵が発見されます。
しっかりした工事をしないと、皆が迷惑します。余計な手間ヒマ、お金もかかっちゃいます。
特に監督さんと設計監理の建築士さんには今以上に頑張ってもらわなきゃ、です。

もっとも、安い単価で、監督さんに頭ごなしにガミガミいわれ、わざと不良な施工をする職人さんもいたりしますので、オ・ソ・ロ・シ・イ