マンション管理士の独り言・・・698

「駐車場について考える・・・④」

今回は来客用駐車場についてつぶやきます。
「近隣にコインパーキングがないので来客時に不便。来客用駐車場がほしい」なんていう要望があります。
確かに来客用駐車場があれば便利でしょうが、管理も大変です。
来客用駐車場を利用しようと思うときは事前届出制にしたり、管理人さんに届出て利用するなんてやっていますが、急な来客では対応できないし、管理人さんのいない土日はどうするの?って感じです。

事実来客の多い土日に利用できないのは不便って声が必ずあがります。
また、管理人さんの業務が終わるのを見計らっていつも同じ車が停まっていて、これがまたクレームに繋がります。
更には、「料金を徴収できない来客用として用意するより、2台目区画として有料で貸し出せば管理組合の収入にもなるじゃん。大体いつ来るかわかんない来客のために駐車区画を用意する必要があるの?それより組合員の需要の方を優先すべきでしょ。」なんて意見が上がります。
1番いいのは、小倉南区の某マンションでやっているようなコインパーキングです。
管理組合の収入としようとするのが目的ではないのでとても安い金額設定としており、何より優れものは解除ボタンを玄関オートロック内に設置し、マンションに関係ない車の駐車を締め出している事です。

つぶやき主は来客用駐車場についてどう思うかっていうと、“必要なし”です。
そんな区画が取れるのなら、2台目として収入の得られる駐車区画にするべきです。
来客用駐車場は便利がいいという事以上に、管理が難しくトラブルの種っていうのが実務的な感想です。

9月に大規模修繕工事が終わった管理組合さんで、終わったと同時に2回目の大規模修繕工事に備えて長期修繕計画の見直し作業に入っています。
第1回目はマンション購入時に、修繕積立基金を月々の修繕積立金の48か月から多いところで100か月負担していますので、その積立基金で何とか工事代金が賄えます。
しかし第2回目となると1から積み立てなければならないので、月々の修繕積立金の増額しか選択肢がありません。
アンケートを取り過剰と思われる管理サービスなど“贅肉”をそぎ落とし、管理委託費の見直しまで手を付けて積立金へ充当するようにします。
まだまだです。

大ナタを振るいます。
来客用駐車場の廃止です。2区画ありますからそれを2台目区画として貸し出します。
1台8,000円なので、年間20万円の収入です。
おおよそ15年後の第2回目の大規模修繕工事時には300万円となって管理組合さんお財産となります。
ここでも合意形成が必要ですが、強烈な反対者からはまた集中砲火を浴びることになります。

我ながらよく続いているなと感じる商売です。