マンション管理士の独り言・・・722

「エレベーターメンテナンス」

分譲当初はメーカー系メンテ会社がエレベーターのメンテを行っていましたが、経費削減のため独立系メンテ会社へ乗り換える管理組合さんが増えています。
しかし故障した時に、メーカーは部品供給をスムーズに行ってくれない傾向がありますので、どうかしたら1か月もエレベーターが停止したままっていうマンションを見かけることがあります。
1か月もエレベーターが停止したままなら上層階の方はたまったものではありません。
「いくら月額2万円くらい安くなっても、1か月もエレベーターが停止したままじゃ生活できない。もとのメーカー系にメンテ会社を戻してよ」って声が上がります。

「したら元のメーカー系に戻すべ」としてもメーカー系メンテ会社では「これまでメンテしていた独立系メンテ会社が制御盤をいじっているので、それを復旧して当社がメンテできるようにする費用が必要です。1基600万円です。」

この議案を通すのには骨が折れます。日頃エレベーターを使わない下層階の区分所有者はからすれば、理解できなくはないのですが、あまり乗り気でない話です。
また、エレベーターメンテナンスが管理会社さんとの管理委託契約の中に含まれていれば、ますます話がこんがらがって来ます。
管理委託契約の見直し作業も発生します。

同じことがPOG契約からフルメンテナンス契約へ変更する場合にも言えます。
POGからフルメンテへと変更するだけで、メンテ会社を変更するわけじゃありませんが、この場合も1基600万円くらいの費用が必要とされます。

傾向とすれば、管理会社さんはメーカー系のメンテ会社さんでフルメンテ契約をすすめるように感じられます。
1番無難かな、って思います。
POG契約の場合、非常用バッテリーの交換が5年くらいで30万円かかっちゃいますし、結構部品代が発生します。
フルメンテに比べ月額は2万円くらい安いものの、25年くらいのトータルコストで考えるとフルメンテもPOGもそんなに変わらないかなって感じています。

玄関エントランス周りに大判のタイルを貼っているマンションが増えています。
エントランス上裏(下から見上げた天井)にも大判タイルが貼っています。
このタイルの剥落事故が増えています。
つぶやき主も現地で立ち合いましたが、全面接着でなく、4か所のGLボンド接着(だんご貼り)です。
厚み8mmで60センチ×30センチのものが多く使用されているようですが、自重もかなりあり、手に持つとズッシリとしています。
こんなのが頭に落ちてくると大惨事になります。

また、剥落しなくても大規模修繕時にはどのような補修を行えばいいのでしょう。
頭からのピンニングじゃタイルが割れちゃうし、目地なんてほとんどないのでエポキシ注入は出来ない、ときています。
今から研究しなくちゃです。