マンション管理士の独り言・・・730

「将来必ずトラブルになるマンション」

今週号のリビング北九州誌では、分譲マンションの買い方についてマンション管理士の立場から、「トラブルになりそうなマンションは買わないほうが良いですよ」って回答しています。
「まだ誰も入居していないのにトラブルになるかどうか分からないじゃん」って思われるかもしれませんが、つぶやき主が“トラブルになる”って言えば必ずトラブルになります。
リビング誌ではあまり過激な回答は出来ませんので、もっとリアルな話をこの独り言でつぶやきます。

修繕積立金が月額3~4000円程度ならば、必ず5年以内には2倍くらいに値上がりします。
修繕積立金の値上げは総会での承認事項ですから、その際に「積立金が値上げされるって聞いてなかったぞ」或いは「値上げは仕方ないけど2倍というのが適正なのか?何故2倍なのかの根拠を示せ」なんて意見が出て、紛糾することがしばしばです。
販売時に渡される長期修繕計画に修繕工事代金以外にキチンとした値上げ計画が記載されているかどうかを確認しなきゃです。
もっとも販売時に長期修繕計画を提示しない売主さんもあるそうで、呆れてしまいます。必ず作成していますので、もらわなきゃですよ。

未販売住戸の管理費や修繕積立金について売主がそれを負担するのかどうか?負担しない場合将来どうなるのか?については、前回つぶやいていますので、それをご参照。

また、分譲駐車場については論外です。
分譲駐車場なんていかがわしい売り方してるのは日本中のどこ探しても北九州だけですよ。分譲駐車場利用者と一般の賃貸区画利用者との間で将来必ずトラブルになります。

さらに最近ではルーフバルコニーにジャグジー風呂なんかを設置して、それセールスポイントとして販売している売主さんもあります。
大規模修繕工事時にルーフバルコニーの防水工事も実施しますが、その際一旦外さなきゃなりません。
管理組合として、外すことについてその住戸所有者の承諾を得なければいけませんが、そう簡単に得られるわけがありません。
販売時にそこまで説明しているとはとても思えません。
また、撤去費用は誰が負担するのでしょうか?
管理組合が負担するのは筋が通りませんし、ではその住戸所有者となるのかって言えば、「そんな話聞いてないよ」ってなるでしょうから、管理組合はまた厄介な問題を抱え込むことに繋がります。

「共有は紛争の母」です。
一つの物を2人以上の複数人で所有すると必ず揉めるよ、っていう民法の格言です。
分譲マンションというのは共用部分っていうのがあるようにどうしたって必ず共有関係になります。
今まで見たことも聞いたこともない、年齢や家族構成、職業、考え方など全く異なる赤の他人が共有関係になるっていうのがマンションです。
これ聞いただけで合意形成大変だろうな、ってわかるっしょ。
その上、トラブルになりそうな事を売主さん持ち込まないでよってことです。