マンション管理士の独り言・・・731

「トラブルになるマンション」

実際にあった事例をご紹介します。
まずは、駐車場。そのマンションは屋内平面区画、屋外平面区画、機械式駐車場地下・1階・2階・最上階と区画に6つの種類があります。
そして全ての区画がタダ。誰が考えても不公平でしょ。
トラブルになり5年かけてやっと有料化し、少しは不公平感もなくなりましたが、まだ火種はくすぶっているようです。
駐車場無料何て耳触りはいいのですが、将来トラブルに発展します。

次も駐車場。機械式と平面とで全戸数に1区画ずつあてがわれており、つまり駐車場率100%です。
所有する住戸を譲渡する際には、今まで使用していた区画を次の譲受人が引き継ぎできるとなっていました。
機械式を使用している人が平面に移りたいと考えても、これではなかなか移動できません。今まで管理組合活動に積極的に関与していた人より新参者優先になってしまいます。

更に駐車場です。軽区画にサイズの短い乗用車が停まるようになって、これもトラブルになっちゃいます。
「軽区画なんだから軽を停めろよ。」「区画内に収まっていて線もはみ出してないからいいっしょ」です。

駐車場に関して最後は、来客用駐車場です。管理人さんが帰るのを待っていたかのようにいつも同じ車が駐車している。管理人さんが休みの土日は使用できない、なんてトラブルになります。
この辺りは工夫次第で何とでもなりますが、残念ながら実例や工夫を知らないと揉めちゃいます。

続いては桜の木。年に1度きれいに開花しますが、落ち葉や樹液、毛虫で車を汚します。
さらに根っこが排水桝に侵入してきます。
排水桝は桜の根っこにとっては、栄養たっぷりな生活排水ですからみるみる大きくなっていきます。
切っても切っても侵入してきます。
根絶するには排水桝の周りをコンクリートで囲んでしまうしかないようです。
大工事になり当然それだけ費用もかかります。
「では切ってしまおう」と言うのは簡単ですが、落ち葉や樹液、毛虫被害に遭ってない方は、「年に1度桜を愛でているのに」なんて言って理解していただけません。
総会で何度否決されたことか。
マンション管理組合で当初よりある樹木を切ってしまおうとするとかなり高いハードルがあります。

エレベーターもトラブルの種です。
台数に比例してメンテナンス費用がかかってきますので必要以上に多いとその分管理費を圧迫します。
しかも1階や2階の低層階の方はエレベーターなんて使いませんから、自分が負担している管理費から多額のエレベーターメンテナンス費用が支出されるのが納得いかなくなり、これもトラブルに発展します。訴訟だって起きています。

ゴミだしマナーとか駐輪場使用マナーとか、ベランダからの煙草の投げ捨てなんていうのはどのマンションでも起こっています。

どのマンションでも必ず問題を抱えています。
購入を検討する時は、少しでもトラブルになりにくいマンションを選ばなきゃ、ですよ。