マンション管理士の独り言・・・736

「いろんな人がいるという事」

血のつながった兄弟でさえ、相続に際してはモメちゃうことがあるっていうのに、今まで見たことも、まして話したこともない人達が共有関係になってそこに住まうというのがマンションです。そしてマンションでは共用部分の維持管理やマンションライフのルールは皆で集まって話し合って決めましょうっていう総会主義をとっています。総会の季節です。
正直なところ気が重い季節です。
「べき論」で話をされる方が多いので、キリがありません。
見積もりを3社からとって工事しようとしたら、「3社じゃなく5社くらい取らなきゃ、」です。そりゃ、3社より5社から取るべきでしょうが、そんなに手間暇かけら得ませんし、4社に断りを入れるのも胃が痛くなる作業です。

何たっていろんな人が、いろんな価値観を持った人がいます。
当たり前のような警告文でさえこんなことがあります。
“上階の音がウルサイので、管理組合で何とかしてよ”ってよくある苦情です。
第1ステップとしてまずは、マンション全体の人に「生活音注意!」って割とヤンワリとした警告文を掲示します。
これに対し、いろんな方がいろんな意見を寄せてきます。警告文に対して寄せられたご意見一覧です

「こんな警告文じゃ手ぬるい。罰則を課すようなもっとキツイ警告文にしなきゃ」
「しばらくの間、掲示して皆にこんな苦情があると知らしめなきゃ」これらは賛成派もしくはこれでも手ぬるい派。

「こんな掲示をしていたらマンションの遮音性能が悪いと部外者に知らせているようなもの。すぐに剥がしてよ」
「マンション入居者のマナーが悪いと宣伝しているようなもの。みっともない」
これは反対派。

「うちの子は障害があって、言っても聞かない。この警告文を見るたびに胸が痛む」
これには対応のしようがありません。

マンション敷地内を外部の人の車が通り抜けていきます。結構なスピードを出すので危険です。車両出入り口に「外部車両の通り抜け禁止」看板の設置です。
これに対してもご意見をいただきます。

「“通り抜け禁止”程度の文言じゃ手ぬるい。“見つけ次第直ちに警察へ通報”くらい厳しくしなきゃ」
「看板が小さくて目につかない。もっと目立つようにしなきゃ」

これに対して、
「部外者って言ったって、同じ町内の人だよ。そんなに目くじら立てなくっても。近所付き合いがやりにくくなっちゃうよ」
「看板まで立てる必要あったの?大きくてみっともないよ」
「管理組合のお金を出して看板設置したっしょ。ちゃんと効果を報告してよ」

ご意見もっともですし、それなりに理屈も通っています。
でも、アナタもいつかは役員やるんですよ。

「役員さんご苦労様です」って思ってくれる人が少なくなってきているようで・・・寂しい。