マンション管理士の独り言・・・753

「共用部2年点検」

新築マンションの瑕疵担保期間は引き渡し後2年間というのが一般的です。
民法では瑕疵担保の期間を瑕疵あることを知って1年間としているものを、それじゃ不動産業者さんにあまりに酷であろうということになり、宅建業法で引き渡し後2年とされています。
瑕疵(不具合、キズなど)あれば引き渡し後2年間ならば、「売主が補修などでキチンと対応しますよ。それ以降に発見されたものは勘弁してよ」ってなっています。

これに基づき多くの売主さんは2年目のアフターサービスを実施します。
入居者へ「不具合箇所あれば申し出てよ。住んでいる人にしかわからないじゃん。」としてアンケートを実施します。
「そのアンケートで指摘を受けた項目を補修します」ってスタンスです。

専有部分はそれでいいのですが、共用部分についてはちょっといい加減な扱いです。
屋上防水、外壁タイル、廊下階段など、共用部分の方がどっちかというとそのマンションにとって専有部分より重要な部分なのですが、入居者、管理会社ともにあまり関心ないようです。これらの検査も2年目の専有部分のアンケートに合わせて行われます。
管理会社さんが共用部分を見て回って不具合あれば売主経由で施工会社へ伝えられます。多くの場合管理会社さんは売主さんの子会社か、或いは関連会社なのでその検査はお手盛りになりがちです。
また、不具合箇所を指摘しても力関係でなかなか補修が実施されないようです。
そんな事を嫌ってか、最近では第3者へ共用部2年点検を依頼される管理組合さんが増えてきました。

つぶやき主にもオファーが寄せられます。そして「高いね~」何て言われちゃいます。
高いか安いかは同一品種、同一数量でしか比較できないのに、第1印象で「高いね~」です。
「高い」ではなく、それだけの金額が必要な作業で、それに見合った仕事をしています、です。
共用部2年点検は、ただ単に不具合箇所を指摘すれば、それで済むというものではありません。指摘した個所を、売主や施工会社に立会いを求め現認してもらい、補修方法や補修計画表の提出~更に補修が始まれば工事がキチンとなされているか、そして竣工後の検査も必要です。
場合によれば総会を開催してその補修提案の承認さえ必要なことだってあります。
これらが完了して初めて共用部2年点検完了です。
ただ不具合箇所を指摘するだけの子供がするような検査などつぶやき主は行いません。

不具合箇所を指摘し、売主さんや施工会社さんに現地で確認してもらうと、決まって「これは施工精度の許容範囲内」とか「施工上どうしてもこのような収まりになる」「天候などによる経年変化です」などで瑕疵(不具合)であることをスンナリとは認めてくれません。
これに対し、しっかりと合理的な理由をつけて瑕疵であることを認めさせなきゃ、です。
そのためには、知識や経験に裏付けされた知見が必要です。
エースマンションには、優秀なスタッフが揃っています。
手前味噌ながら、そこまで出来るのは、そこまでやるのは、市内ではエースマンションだけだと自負しています。

お陰様で売主や施工会社さんには嫌われています。