マンション管理士の独り言・・・762

「熱割れ」

経年劣化の一部でサッシュの「熱割れ」現象というのがあります。
サッシュのガラス部分にひび割れが現れる現象のことです。
築年数20年を越したあたりから見られるようになります。

サッシュのガラス面は常に太陽光線やそれに伴う熱を浴び続けています。
枠近くの外側ガラス部分とガラス中央部分とでは、光の当たり方や熱の浴び方が違っています。やはり中央部分が光や熱の影響が多くなります。
ガラス中央部が熱や光で膨張しますがサッシュは4方を枠で固定されていて、逃げる場所がありません。
そのひずみがひび割れとなって現れます。これが「熱割れ」という現象です。
特に網入りガラスなどが「熱割れ」現象が出やすくなります。

サッシュは共用部分の専用使用部分ですから、基本的には管理組合が維持管理を行わなければなりません。
「熱割れ」によるサッシュひび割れは、その住戸にお住まいの方の使用方法が間違っているので現れた、というものではないからです。
共用部分ですから、管理組合で付保している共用部分の」損害保険の対象となります。
つまり保険金給付対象となります。
ところが、サッシュ1枚の取り換え費用は、2万円くらいなので付保している損害保険の免責金額が1万円ならば、残りの約1万円が給付対象で、3万円や5万円が免責金額ならば保険金は給付されないということになります。

また、「熱割れ」が複数の住戸に現れていたとしても、台風でもない限り全部が一度に「熱割れ」するなんてあり得ませんから、基本的に1戸ごと、1枚ごとの保険金給付申請となります。手間ばっかりかかる仕事となります。
このため、保険金申請を行わずに管理組合手出しでサッシュ取り換えを行う場合が多いようです。

現在大規模修繕工事中の築30年マンションでは、「熱割れ」サッシュが全体の半分に及び、「熱割れ」なんて当初予定してなかったもので、追加工事が増えてその費用ねん出に頭を抱えています。
建物を維持管理していくというのは、とても大変でお金のかかる作業です。
当初考えてもいなかった不具合が結構な頻度で発生し、その補修にはかなり高額な費用が必要となることも多くあります。
長期修繕計画通りにはなかなか進みません。
築年数の経過したマンションほど、予算案に予備費を計上しておかなければなりません。
そして、予備費のうちの一定金額までは理事会の判断で支出できるとして、機動性を確保しなければなりません。

本日午前中、西小倉駅前の清掃作業に行ってきました。お盆の帰省客に気持ちよく郷土の土を踏んでもらおうということで、もう27年くらい続いているそうです。
地元企業の社員さんや思永中学校の生徒さんも参加していました。
つぶやき主は、お世話しているマンションの町内会長代行ということで参加してきました。

これもマンション管理士の仕事?って言われれば違いますが、何でもやります。
今夜は金麦が美味そう。