マンション管理士の独り言・・・775

「折尾クロステージ」

折尾駅前に地元デベ6社と北九州市住宅供給公社とのジョイントベンチャー「折尾クロステージ」が始動しました。
供給公社が関与しているからいい物件だと何の根拠もなく思っている方に専門家から見た物件情報を教えちゃいます。

まず、売主に関して公社さんは土地の売主だけであって、建物については売主でないので、建物についての関与はなく、従ってその出来栄えや施工精度などについては一切責任を持ちません。
公社さんのアフターサービスや瑕疵担保責任もありません。
また、設備仕様や構造などが一般のマンションに比べて優れているなんてことも全くありません。
土地には5年の買戻し特約が付いていますから、この特約が失効する5年後には司法書士に頼んで抹消登記をしなければならないことをお忘れなく。

公社さんが関与しているから全く良いところがないかというとそうでもなく、まず北九州での悪い商習慣である分譲駐車場はありません。
さらに仮に引渡し時に未販売住戸あった時には、引渡し日以降の未販売住戸の管理費・修繕積立金を売主が負担します。
全国的にはこれらは当たり前なのですが、北九州では特筆すべきことになるのが悲しいところです。

建物に関してはこれも北九州でのお決まりのように福屋建設さんが建築を請け負います。
19階建てという同社からすれば高層になりますが、アーティックス馬借ヘリテイジでの実績もありますので、しっかりした工事を行ってほしいと期待しています。
アーティックス馬借ヘリテイジでは、近隣へのお知らせボードが5月に書かれたものが最後でした。もう9月ですよ。今度はしっかりとお願いしますよ。

売主が6社ですが、このようなジョイントベンチャーの場合、6社が等分の事業費率という事はなく、どこか1社が51%以上の事業費率でチャンピオン(業界用語)となっていると思います。各社が均等な事業費率ならば、話がまとまらなくて時間ばかりかかってしまうので、ジョイントと言いながらチャンピオンがイニシアチブを持って進めていくというのが通例です。
本物件では、九州三共さんがチャンピオンではないでしょうか?管理会社が九州三共さんの子会社のサンエージェンシーさんだし、設計もブラックスチューディオさんです。
ネクスタージュ高見七条やベイトリア門司マリーズのようになかやしきさんがチャンピオンならば、設計はスズキ設計さん、管理はなかやしきエステートサービスさんになります。
東宝住宅さんは関連の管理会社を持っておらず、日本エスエムさんか日本ハウズイングさんが管理を行います。
このメンバーで初参加の辰巳さんやアースティックさんがチャンピオンになることはあり得ません。
チャンピオン業者がイニシアチブを持ってプロジェクトを進めていくってことは覚えておいた方がいいですよ。

管理組合はいくつ出来るのでしょう?まさか全体で1つってことはないと思います。
店舗管理組合、住宅管理組合、全体管理組合、その他コミュニティなんたらの存在や権利関係がよくわかりませんが、ここも管理組合があるのならば、総計で3~4つくらいの数になりそうです。
この他、店舗部分だけで使用するエレベーターなどあればその維持メンテナンスは店舗だけで行うことになり、管理費なども住宅部分と別会計にしなければなりません。
原始管理規約を作っているのはN氏かな?
奮闘努力中だと思いますが、出来栄えを楽しみに待ちます。