マンション管理士の独り言・・・849

「周辺環境の説明」

マンション売主は購入者に対し売買契約前までに宅建業法により定められた重要事項説明を行わなければなりません。
説明しなければいけない事項は宅建業法により定められていますが、その他にこのマンションに住んでいただくについて予め説明しておいた方がいいと思われる事柄についても説明を行います。
周辺環境がまさにそれで、業法では説明義務はないものの、購入者にとってはとても重要なことなので出来るだけ多くの情報を購入者に説明しようとする売主さんと、「知らせちゃうと買わないっていいだすかも知れないので黙っておこう」と考える売主さんがあります。
この辺りがいわばその売主さんの企業としての品格です。

こんなことまで重要事項説明で説明している売主さんもあるんだってことを知っていただくために、一例をご紹介します。
はるばる長崎まで内覧会へ同行してきた物件です。大和ハウスさんのプレミストシリーズです。
[マンション周辺の施設について]として、
①マンション敷地の西側隣接地にトヨタレンタリースがあり、車両の出入り、洗車、メンテナンス等に伴う騒音などが発生する場合があります。
②マンション敷地東側に親和銀行があり、来客や車両の出入りがあります。
③マンション北側40mに「ガスト」があり、(年中無休 営業時間午前8時~午前2時)調理による臭気や車両や人の出入りがあります。
④マンション北側20mにデイリーショップ山崎(24時間営業 年中無休)があり車や来客の出入りがあります。
⑤マンション西側120mに長崎消防署松ヶ枝出張所があり、南西320mに警察署があるので、緊急車両の出入りや周辺走行時に騒音が発生する場合があります。

⑥本マンション近接には民間駐車場が点在しているので、車両の出入りなどで騒音が発生する場合があります。
⑦マンション敷地の南側300mに教会があり、参拝者の出入りや冠婚葬祭が行われることがあります。
⑧マンション敷地周辺には医院が点在しており利用者の話し声や救急車によるサイレンが聞こえる場合があります。
⑨本マンション周辺には公園があり、利用者による話し声や児童の歓声やペットの鳴き声が聞こえることがあります。
⑩本マンション周辺には中学や高校が点在しており、生徒の歓声やチャイムの音、吹奏楽の演奏音が聞こえることがあります。

更に「前面道路について」では、車両通行に伴う騒音やホコリがまうという当たり前の事以外に、歩道には街路樹が植えられていて、落葉した葉っぱがマンション敷地内に入ってくることがある、とまで記載されています。

購入したマンションに隣接した高校の吹奏楽の演奏音がウルサイと、その高校へ怒鳴り込んでいく人は流石にいないと思いますが、売主として購入者へ出来るだけ多くの周辺環境の情報を与えるというのは当たり前の姿勢だと思います。
そうすることで、将来の周辺住民とマンション居住者とのトラブル回避につながりますし、売主へも変なクレームが入ってくることの防止にもなります。

聞いてる?Iさん Mさん